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享年と行年の違い|位牌に書くのはどちら?早見表・計算方法・歳の使い方まで完全解説

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この記事の執筆・監修:奥本 一輝(お位牌Maker® 編集責任者)

全国の坐禅会を紹介する「坐禅会マップ」を運営。麗光堂による数多くの仏壇・仏具修復の現場経験をもとに、位牌・戒名・仏事の情報を編集・監修しています。

「享年(きょうねん)」と「行年(ぎょうねん)」は、どちらも故人の年齢を表す言葉です。位牌に書かれる年齢にはこの2つの表記があり、本記事では両者の違い・読み方・計算方法・早見表・宗派別の使い分け・位牌に書くときの正しい選び方まで完全解説します。

この記事でわかること

  • 享年と行年の違いと由来
  • 数え年と満年齢の計算方法(具体例つき)
  • 享年・行年の早見表
  • 宗派による使い分け
  • 位牌に書く時の判断方法
  • 「歳」と「才」、つける/つけないのルール

享年と行年の違い ─ 最初に知っておきたいポイント

結論からお伝えすると、享年は「数え年」、行年は「満年齢」で表すのが基本です。ただし、近年は享年も満年齢で記すケースが増えており、明確な決まりはなくなりつつあります。

項目 享年(きょうねん) 行年(ぎょうねん)
意味 天から享(う)けた年数 この世で行(おこな)った年数
基本の数え方 数え年 満年齢
読み方 きょうねん ぎょうねん
使う宗派傾向 曹洞宗・浄土宗で多い 真言宗・天台宗で多い
「歳」「才」の有無 本来は付けない(享年85) 付けることが多い(行年85歳)

位牌・お墓・葬儀の挨拶状などで使う場合、菩提寺さま(または葬儀社)の作法に従うのが最も確実です。すでにご先祖の位牌がある場合は、それと表記を揃えるのが慣習です。

享年とは ─ 天から授かった年数を「数え年」で表す

「享年」の「享」は「享(う)ける」と読み、「天から与えられる」という意味です。仏教の世界観では人は天から命を授かるとされ、「天から享けた年数」=「享年」となります。

古来より日本では「数え年」で年齢を数えてきました。数え年は生まれた瞬間から1歳と数え、その後は元日(1月1日)が来るたびに1歳ずつ加算する方式です。

数え年の計算方法

  • その年の誕生日を迎えていない場合:満年齢 + 2歳 = 数え年
  • その年の誕生日を迎えた後の場合:満年齢 + 1歳 = 数え年

計算例:1950年5月10日生まれ、2026年1月15日没

  • 2026年没時点で誕生日(5月10日)未到来
  • 満年齢: 75歳(誕生日前なので74歳)→ 満74歳
  • 数え年: 満74歳 + 2歳 = 数え76歳
  • 享年「76」、行年「74歳」

計算例:1950年5月10日生まれ、2026年7月20日没

  • 2026年没時点で誕生日(5月10日)到来済み
  • 満年齢: 満76歳
  • 数え年: 満76歳 + 1歳 = 数え77歳
  • 享年「77」、行年「76歳」

行年とは ─ この世で過ごした年数を「満年齢」で表す

「行年」は「この世で行(おこな)った年数」を意味します。仏教では、修行を行った年数というニュアンスもあります。

行年は基本的に満年齢で表記します。満年齢は生まれた日を0歳とし、誕生日を迎えるごとに1歳ずつ加算する、現代日本で一般的な年齢の数え方です。

満年齢の計算方法

  • 計算式:没年 − 生年 − (誕生日未到来なら1、到来済なら0)
  • 例:2026年8月没、1950年5月生まれ → 2026 − 1950 − 0 = 満76歳
  • 例:2026年3月没、1950年5月生まれ → 2026 − 1950 − 1 = 満75歳

享年・行年 自動計算ツール

生年月日と没年月日を選ぶと、享年(数え年)・行年(満年齢)・和暦・生涯の長さ・総日数を自動計算します。位牌の文字入れ前にぜひご活用ください。

📊 享年・行年 計算ツール

生年月日
没年月日

※グレゴリオ暦採用の明治6年(1873年)1月1日以降の日付に対応しています。

宗派による享年・行年の使い分け

明確な決まりはありませんが、宗派ごとに慣習的な傾向があります。

曹洞宗・浄土宗 ─ 享年が多い

曹洞宗や浄土宗では、伝統的に享年(数え年)を用いる慣習が残っています。古い位牌や墓石にも享年表記が多く見られます。

真言宗・天台宗 ─ 行年が多い

真言宗や天台宗では、行年(満年齢)を用いる傾向があります。「この世での修行年数」という意味合いを重視するためとされています。

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浄土真宗 ─ どちらも使う

浄土真宗では本来位牌を用いず、過去帳や法名軸に故人の年齢を記します。享年・行年いずれの表記も見られますので、菩提寺さま(住職)のご指示に従うのが確実です。詳しくは「浄土真宗の位牌・法名軸の正しい祀り方」をご参照ください。

日蓮宗・臨済宗 ─ 享年・行年どちらも使用

日蓮宗・臨済宗では、菩提寺の慣習や地域によって異なります。お寺さまや葬儀社にご確認ください。

位牌に書く時はどちらを選ぶ?実務的な判断フロー

位牌の文字入れを依頼する際、享年・行年のどちらを選べば良いか迷うことがあります。以下の順番で確認するのが最も確実です。

① 白木位牌(仮位牌)を確認する

四十九日までお祀りする白木位牌には、葬儀の際にすでに享年または行年のいずれかで記載されています。本位牌を作る際は、白木位牌の表記をそのまま引き継ぐのが最も一般的で確実な方法です。

白木位牌の数字の見分け方は次の通りです:

  • 「享年 76」のように「歳」が付かない数字 → 数え年(享年)
  • 「行年 76歳」のように「歳」が付く数字 → 満年齢(行年)
  • ただし近年は「享年76歳」と表記されることもあり、確実には葬儀社・お寺に確認してください

② 既存のご先祖の位牌に合わせる

すでに仏壇にご先祖の位牌が祀られている場合は、既存の表記に合わせるのが慣習です。享年で統一されていれば享年、行年で統一されていれば行年で書きます。

③ 菩提寺さまに確認する

白木位牌もなく、ご先祖の位牌もない場合は、菩提寺さま(または葬儀を依頼した葬儀社)に確認するのが確実です。宗派と地域の慣習を踏まえて、最適な表記を教えていただけます。

④ どうしても決まらない場合

判断に迷う場合は、「享年(数え年)」を選ぶのが伝統的な作法です。ただし近年は分かりやすさから行年(満年齢)も広く使われており、どちらを選んでも誤りではありません。

「歳」と「才」、つける?つけない?

位牌の年齢表記でよく悩むのが、数字のあとに「歳」または「才」を付けるかどうかです。基本的なルールは以下の通りです。

享年は「歳」を付けないのが本来

「享年」は本来、数字の単位ではなく「天から享けた年数」を表す言葉そのものです。そのため伝統的には「享年85」のように歳を付けないのが正式とされています。

ただし近年は分かりやすさから「享年85歳」と書くことも一般的になっており、誤りではありません。

行年は「歳」を付けることが多い

「行年」は「行年85歳」のように歳を付けるのが一般的です。「行年」が「○年間この世で過ごした」という意味合いのため、年齢を表す「歳」を続けても違和感がありません。

「歳」と「才」の違い

「歳」と「才」は意味としては同じですが、本来の正字は「歳」です。「才」は「歳」の俗字(簡略字)として使われ、特に書きやすさから手書きの位牌や墓石で見られます。位牌の文字入れでは 「歳」が正式とされています。

子ども・若くして亡くなった場合の表記

幼くして亡くなった方の場合、戒名には子ども用の位号(嬰児・嬰女・童子・童女など)が用いられます。年齢表記についても以下の慣習があります。

  • 満1歳未満:「享年1」または「行年0歳」と表記(地域により異なる)
  • 1〜2歳:満年齢に1〜2歳加算した数え年
  • 水子の場合:年齢を入れない、または「水子」と書く

子ども用の位号の詳しい読み方は「位牌・戒名の読み方完全ガイド」をご参照ください。

よくある質問(FAQ)

Q. 数え年と満年齢で数字が2歳違うことはありますか?

A. はい、あります。たとえば誕生日が12月生まれの方が1月に亡くなった場合、満年齢から享年(数え年)への変換で2歳差になることがあります。満年齢74歳の方が、誕生日を迎える前に元日を過ぎて1月に亡くなると、享年76となります(元日を迎えるごとに1歳加算されるため)。

Q. 享年に「歳」はつけないのが正しい?

A. 伝統的には「享年85」のように歳を付けないのが正式です。しかし近年は「享年85歳」も広く使われており、どちらでも誤りではありません。すでにあるご先祖の位牌の表記に合わせるのが最も自然です。

Q. 白木位牌の表記を変えて本位牌を作っても良い?

A. 基本的に同じ表記で引き継ぐのが一般的ですが、どうしても変えたい場合(例:分かりやすさのため享年から行年に変更)は菩提寺さまに事前にご相談ください。本位牌作成前に閉眼供養や開眼供養との関係も確認が必要です。

Q. 享年と行年、どちらが「正式」ですか?

A. どちらも正式です。明確な「正解」はなく、宗派・地域・家系の慣習によります。困ったら、まず白木位牌・ご先祖の位牌を確認、それでも分からなければ菩提寺さまに尋ねるのが最も確実です。

Q. 戒名のあとに「享年85」「行年85歳」のどちらを書きますか?

A. 表面(戒名)の左に「享年○○」、または裏面に「行年○○歳」と記すのが一般的です。表記の位置も宗派や地域で違うため、菩提寺さまや位牌制作店にご確認ください。詳しくは「位牌の書き方完全ガイド」をご参照ください。

Q. 享年・行年の数字を間違えていたら、位牌を作り直す必要がありますか?

A. 数字を間違えた場合、位牌を作り直すのが正式です。古い位牌は閉眼供養(魂抜き)の上、お焚き上げで供養します。お位牌Maker®では送料のみで無料お焚き上げサービスを社会奉仕として承っております。

まとめ|享年と行年、迷ったら白木位牌に従う

享年と行年は、いずれも故人の年齢を表す大切な表記です。明確な決まりはなく、白木位牌・ご先祖の位牌・菩提寺さまの指示に従うのが最も確実です。

位牌に書く際は本記事の早見表や計算方法を参考にしつつ、不明な点は菩提寺さまにご相談されることをおすすめします。

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