位牌とは

位牌とは何か?必要性や種類、選び方のポイントを徹底解説

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位牌とは何か?必要性や種類、選び方のポイントを徹底解説

位牌とは、故人の霊魂を祀るための重要な仏具です。
しかし、初めて位牌を用意する方で、その意味や種類、適切な選び方を知っている方は多くはないでしょう。

この記事では、位牌の基本から具体的な選び方のポイントまでを徹底解説します。
安心して故人をお見送りするためにも、ぜひ最後までお読みください。

位牌とは?なぜ必要?

位牌とは、戒名などが彫られた牌のことを言います。
仏教の教えでは、基本的に位牌が必要とされています。

位牌の種類や選び方を紹介する前に、そもそも位牌とは何か、またその必要性を理解しておきましょう。

故人の魂が宿る所

位牌は、故人の魂が宿る(戻ってくる)場所とされています。
位牌がないと、亡くなった方がどこに戻って良いのか分からなくなってしまいます。
戻ってくる場所がないということは、ご遺族が手を合わせて祈ったとしても、その思いを届けることができません。

そのため、位牌は必ず必要とされています。

故人とのつながりを感じるため

位牌は、故人の魂が宿っているとされているため、お祀りすることで故人とのつながりを感じることができます。

家族が日常的に手を合わせ、故人を偲びつつ心の中でつながりを保つための大切な存在です。

戒名や逝去日、俗名などが記載される

位牌には、戒名や逝去日、俗名などが記載されています。

これらを記載することで、位牌に宿る魂が誰のものであるか、いつ亡くなられたのか、そして亡くなられた後の名前は何なのかが分かるようになっています。

戒名は僧侶に付けてもらう

位牌には、亡くなられた後の名前である「戒名」を記名する必要があります。

戒名は、故人が現世との縁を断ち仏門に入った証です。
そのため、お寺の僧侶から付けてもらうのが一般的です。

しかし、人によっては自分のことを知らない人から名前を付けられることに、抵抗を感じる方もいます。
そういった方は、自分でつけることも可能です。

ただし、お寺によってはお寺に在籍している僧侶が戒名をつけることが条件で、納骨できるとされているところもあります。
自分でつける場合は、納骨する予定のお寺へ相談し、了承を得てから付けるようにしましょう。

なお、キリスト教徒や無宗教など仏教徒でない場合は、付けなくても問題ありません。
ただし、戒名を付けない場合、仏教式の葬式は行えないため注意しましょう。

位牌の必要性は?作らなくても良い?

位牌を使用する必要性や、作らなくて良いケースはあるのでしょうか?
仏教では、基本的に位牌が必要とされていますが、用意しなくても良いケースもあります。

必要なケースと位牌を作らなくても良いケースに分けて紹介します。

仏教で供養する場合は必要

前述したように、仏教において位牌は、故人の魂が宿る場所として重要視されています。
位牌がないと故人の魂もその場にいないため、手を合わせて祈っても気持ちは届きません。

そのため、仏教で供養する場合は必ず必要とされています。

位牌を作らなくて良い場合

仏教の考えでは、基本的に位牌が必要です。
しかし、宗教によっては考え方の違いにより、位牌は用意しなくても良い宗派もあります。

たとえば、浄土真宗は「故人は亡くなった瞬間からすぐに成仏する」という考えを持っており、お経を唱えることで極楽浄土へ行けるとされています。
「亡くなった方が戻ってくる」という考えはありませんので、位牌も不要となるのです。

また、最近では、生活様式の変化に伴い、自宅に仏壇を置かず位牌を持たない家庭も増えています。
仏教の教えでは、基本的に位牌は必要とされていますが、お墓など手を合わせて故人を思い起こす場所があれば、必ずしも位牌を用意しなければならないことはありません。

永代供養でも位牌を作ることは可能

永代供養とは、ご遺族に代わって霊園やお寺がお墓参りやご遺骨を管理、供養することです。

お寺が供養してくれるため、位牌も必須ではありません。

永代供養は、「お寺が供養するからご家族はお参りできない」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご遺族が供養を行えないというわけではありません。
お寺が管理していても、ご遺族は自由にお参りができます。

また、故人を身近に感じたい場合や、ご自身の家で手を合わせたい場合には、位牌を用意することも可能です。
永代供養を選んでも、位牌を通じて故人を偲び、供養を続けることはできます。

位牌の種類

ここまで、位牌とは何なのか、その必要性について紹介してきました。

しかし、位牌といっても、いくつかの種類があります。
種類を間違えると、故人の魂がゆっくり休めなくなってしまいますので、しっかり確認しましょう。

白木位牌と本位牌がある

位牌には、大きく分けて「白木位牌」と「本位牌」があります。

白木位牌とは、故人が亡くなられてから四十九日の法要まで使用される位牌で、亡くなられた方の魂が宿る仮の場所として使用されます。

一方、本位牌は四十九日の法要後に使用される位牌で、お仏壇に正式にお祀りするためのものです。
流れとしては、葬儀で白木位牌に魂を入れ、四十九日の法要後「開眼供養(魂入れ)」を行い、本位牌へ魂が移されます。
本位牌へ魂が入ることで、正式な位牌として使用されます。

また、本位牌はいくつかの種類があります。

本位牌の種類

本位牌には、以下の種類があります。

● 札位牌(板位牌)
● 繰り出し位牌(回出位牌)
● 寿牌(逆修牌)
● 寺位牌
● 伝統型位牌
● モダン型位牌
● 過去帳
● 法名軸

宗派やデザインなどによって、使用される方法が異なりますので確認しておきましょう。

札位牌(板位牌)

札位牌(板位牌)とは、1つの位牌に対して、故人1名分の戒名が記載されたものです。

ご夫婦で一緒に使用する場合は、夫婦位牌が使われます。

札位牌のデザインには、いくつか種類があり、「塗位牌」「唐木位牌」「モダン位牌」などがあります。

繰り出し位牌(回出位牌)

繰り出し位牌(回出位牌)とは、戒名が書かれた板札が数枚納められている位牌です。
ご先祖様の位牌が増えすぎたときに、位牌を1つにまとめるために使用されます。

三十三回忌や五十回忌のタイミングで、使用されることがほとんどです。

寿牌(逆修牌)

生前に戒名や法名を付けてもらう方もいますが、このときに使用される位牌が寿牌(逆修牌)です。

寿牌を作られる方は、配偶者が亡くなったときに、自分も戒名を付けてもらい一緒に仏壇にお祀りするといったケースが多いようです。

寺位牌

寺位牌は自宅にお祀りする位牌とは別に、寺院などにお祀りする位牌のことです。
諸事情により、自宅に位牌を置けない方や永久供養を望んでいるご家庭の方が使用されます。

伝統型位牌

伝統型位牌とは、札位牌(板位牌)のデザインの1つです。
家具調の仏壇に合わせてデザインされた位牌です。

モダン型位牌

モダン型位牌とは、札位牌(板位牌)のデザインの1つです。
従来の位牌と比べて、色合いや形が現代風に施されているのが特徴です。

過去帳

過去帳とは、位牌が増えて繰り出し位牌(回出位牌)にも納めきれなくなった場合に、ご先祖の戒名や俗名をまとめて記載するものです。
こちらも繰り出し位牌(回出位牌)と同様に、三十三回忌や五十回忌などのタイミングで使用されます。

なお、浄土真宗では、そもそも位牌がありませんので、代わりに過去帳を使用します。

位牌の違い

前述した通り、位牌にはいくつかの種類がありますが、形状や材質なども異なってきます。
ここからは、位牌の形状や材質、デザインには、どのような違いがあるのかを紹介します。

形状

位牌の形状は、基本的に1枚板の形をしています。
しかし、角の削り具合や土台の形などが、デザインによって異なってきます。

形状によって、仏壇の雰囲気や見た目が大きく変わるので、よく形状を確かめてから選ぶのが良いでしょう。

材質

材質には「唐木位牌」と呼ばれる天然の木を使用して作られた位牌や、「塗位牌」と呼ばれ漆を塗り、金箔や金粉などで装飾された位牌などがあります。

材質によっても、仏壇全体の雰囲気や見た目が大きく変わりますので、実際に見てから選ぶのが良いでしょう。

大きさ、サイズ

位牌は、大きさやサイズも豊富な種類があります。

特に確認すべきポイントは、位牌のサイズと仏壇のサイズを間違えないことです。
位牌のサイズが、御本尊の高さを上回らないように選ぶようにしましょう。

また、ご先祖様の位牌の高さを超えないよう配慮する方もいます。

本位牌の選び方と購入できる場所

 

先ほど紹介したように、位牌にはさまざまな形状や材質などがあります。
また、形状や材質によって値段も変わってきますので、適切な選び方が重要です。

ここからは、本位牌の選び方と購入できる場所について紹介します。

仏壇の大きさと同じサイズの位牌を選ぶ

本位牌のサイズを選ぶポイントは、位牌のサイズと仏壇のサイズを間違えないことです。
仏壇のサイズより大きいものはもちろん、小さすぎてもよくありません。

必ずご本尊よりも小さく、仏壇のサイズと調和する位牌を選ぶことが重要です。

位牌の素材やサイズによって値段が変わる

本位牌の値段は、素材やサイズによって大きく変わってきます。

位牌自体は、1万円前後から購入できますが、使用される漆の種類や量、木材、デザイン彫刻の有無によって大きく異なってきます。

本位牌は、何十年も使用するものです。
故人に喜んでもらうためにも、値段や見た目だけではなく、耐久性も重視して選ぶことが重要です。

低価格なものは劣化しやすいので注意する

本位牌を購入する際は、安いものが必ずしも良くないわけではありませんが、低価格なものは劣化しやすいことを覚えておきましょう。

本位牌は数十年以上仏壇に置いておくべきものです。
劣化などですぐに壊れてしまうと、故人も安らかに眠ることができません。

できるなら国産で耐久性が高いものを選んだ方が安心できます。

本位牌を購入できる場所

本位牌を購入できる場所は次の通りです。

仏壇仏具店

仏壇仏具店は、本位牌をはじめさまざまな仏壇関係のものを購入できる場所です。
店舗に足を運ぶこととなりますので、形状や素材、サイズなどを目で見て選べます。

また、プロのスタッフが常在していますので、気軽に相談もできるでしょう。

葬儀業者

故人が亡くなられたときに、まず葬儀業者に連絡すると思いますが、葬儀業者はお葬式だけでなく、お墓や仏具の手配も引き受けてくれるところもあります。

葬儀関係のことをすべて任せられるので、初めての方は相談もしやすく、手配も1度で済むので負担も減らせるでしょう。

ネット通販

ネット通販は、豊富な種類や価格などから選べるところが特徴です。

しかし、形状や素材、サイズなど目で見て判断できないところがデメリットとなるため、十分に調べてから選ぶことが大切です。

位牌にかかる総費用と内訳

ここからは、位牌にかかる総費用と内訳を紹介します。

先に総費用からお伝えすると、安くて5万円程度、高くて30万円以上かかります。
また、その内訳は以下の通りです。

● 位牌
● 戒名入れ(文字入れ・名前入れ)
● 開眼供養(お布施)

それぞれにかかる費用相場を紹介します。

位牌

位牌の費用は、先述したように素材やサイズ、デザインによって大きく異なります。

「塗り位牌」、「唐木位牌」、「モダン位牌」で分けると、以下の費用相場となっています。

● 塗り位牌:8,000円~8万円程度
● 唐木位牌:1万5,000円~8万円程度
● モダン位牌:5万5,000円~15万円程度

戒名入れ(文字入れ・名前入れ)

位牌に戒名を入れるのにも費用がかかります。

戒名入れの費用相場は、1名分で3,000円〜1万円程度です。
依頼する場所は、基本的に菩提寺となりますが、ない場合は葬儀業者や同じ宗派のお寺へ依頼することになります。

開眼供養(お布施)

開眼供養は、白木位牌から本位牌へ魂を入れるために必要です。
四十九日法要と同時に行われることがほとんどで、お寺のご住職の読経により、故人様の魂が本位牌へ移されます。

開眼供養の際は、ご住職へのお礼としてお布施を渡します。
その相場は、1万円〜3万円程度です。

四十九日法要と同時に行う場合は、3万円~5万円程度となっています。

まとめ

本記事では、位牌とは何かということから、必要性や種類、選び方、かかる費用まで紹介しました。

位牌は、故人の魂を祀る大切な仏具であり、供養に欠かせないものです。
宗派や家の伝統により、位牌の必要性や形状は異なる場合がありますが、一般的には四十九日法要を機に本位牌が作られます。

位牌の種類には、伝統的なものからモダンなデザインまで多様で、仏壇のサイズやご本尊とのバランスを考慮して選ぶことが重要です。
また、費用は素材や彫刻の内容により異なり、事前に確認することが大切です。

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