位牌とは

宗派別の戒名・法名を詳しく解説

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宗派によって違う戒名・法名の授かり方や特徴を詳しく解説します

宗派別戒名の授かり方と特徴

天台宗
真言宗
浄土宗
浄土真宗本願寺派(大谷派)
真宗高田派
時宗
融通念仏宗
臨済宗
曹洞宗

【天台宗】

天台宗の在家の戒名は生前に授かることが出来、その場合は、天台座主猊下より得度授戒を受けて戒名を授かります。
申込は菩提樹を通じて申込、毎年各教区で行われています。
在家で死後、戒名を授かる場合は、菩提寺の住職より得度授戒の作法を受けて戒名を授かります。
生前に申し込む場合は菩提寺を通じて申し込むことができます。

在家で死後に戒名を授かる場合(こちらがほとんどです)、菩提寺のご住職より得度授戒の作法を受け、戒名を授かります。
本来は生前に得度を授戒して三帰依戒を授かり、十善戒の戒めを守り在家菩薩としての自覚を持って日々の生活を送ります。
死後に受ける場合は得度授戒は簡略化されていますが、基本的な考え方に変わりはありません。

亡くなった後、枕経のあと通夜が始まるまでに戒名を受け、白木の位牌に書き、開眼を行います。
一般成年者の男女には道号と法名の4文字の戒名の下に、「居士」「大姉」「禅定門」「禅定尼」「信士」「信女」などの位号を付けます。

天台宗戒名

天台宗戒名

【真言宗】

真言宗の教えは、即身成仏(生きているままで、究極の悟りを開き仏になること)の道を説く教えの為、戒名授与にあたっても即身成仏に志向するという原理で授けられます。
生前に真言宗で戒名を授かるには、前提として受戒灌頂(じゅかいかんじょう)(水を頭頂に注いで一定の地位に進ませる儀式をいう。水は如来の五智を象徴し、それを弟子の頂に注ぐ作法)の儀式を経ている必要があります。
また、その後戒名を授かるには、結縁灌頂、受明灌頂、伝法灌頂、学修灌頂という4種類があり、結縁と受明は在家信者が受け、伝法は一般僧侶、学修灌頂は最高位の僧侶が受ける灌頂となります。

在家の、死後に受ける戒名は、葬儀の際に剃髪授戒作法が行われ、戒名を授けられます。
男性・女性共に戒名の上に大日如来を表す梵字(ア)が冠せられ、子供には地蔵菩薩の真言(カ)が冠せられます。
葬儀の際の戒名は一般的に次のように位牌に表記されます。

真言宗戒名

真言宗戒名 (梵字の有無は寺院様の指示による)

【浄土宗】

浄土宗では、在家人が生存中に戒名を受けるには、授戒の儀式を経て、剃髪の儀式の他、戒律の説明があり、戒名が書かれた巻物を頂きます。
死後に戒名を受けるには、葬儀前に授与戒名の作法が行われ、頂くことになっています。
浄土宗の授与戒名の儀式は比較的簡単というのが特色です。
浄土宗の戒名の特徴としてあげられる五重相伝(ごじゅうそうでん)とは、五重戒のことで、観無量寿経に「もし念仏せん者は当に知るべし、此の人は是人中の分陀利華なり」とあり、これを善道大師は、「念仏する者は好人、妙好人、上々人、奇有人、最勝人」とし、法然上人はこれらを五種の嘉誉(念仏者を誉める五つの称号)としたことから、戒名に「誉」を用いるようになりました。
この「誉」は鎌倉光明寺の第三世定彗が良誉と号したのが最初で、浄土宗では道号の2文字目に当てはめられるようになりました。
一般の信者は信士・信女が多く、五重戒を受けた信者は誉号のついた禅定門(尼)、居士・大姉クラスになると院号がつくことが多いです。

浄土宗戒名

浄土宗戒名(梵字の有無は寺院様の指示による)

【浄土真宗】(大谷派)

浄土真宗では戒名と呼ばず法名と呼びます。
他の宗派は授戒会で授かるので戒名と言いますが、浄土真宗では戒を受けることが無いので、”仏様のお弟子になる”として法名と呼ぶことになっています。
法名は僧侶の場合は得度式を受けたものに、門信徒の場合は帰敬式(おかみそり)を受けたものに対して門主より授与されます。
浄土真宗の法名の特色は「釋」にあります。釋とは釈迦の略称で、仏門に入り出家、または釈迦の教えに帰して仏弟子になったことを表すものとして、浄土真宗では法名の上に釋の字を付けることになっています。
中国でも著名な道安法師は、「僧侶はみな等しく釋をもって姓とすべし」と自らも釋を姓としていました。
インドには四姓があり、階級格差があり、この風習を打破する先駆者として釈尊の弟子になることから、宗祖の親鸞聖人は、釋親鸞、「愚禿釋親鸞」と名乗り、非僧非俗(僧にあらず俗にあらず)の生活を送りました。
位号・院号については、既に「釋 〇 〇」と法名を授かれば必要ではありませんが実際には授けられていることが多いです。

浄土真宗本願寺派法名

浄土真宗本願寺派法名

 

真宗大谷派法名

真宗大谷派法名

【真宗高田派】

真宗高田派の法名の特徴は、四字法名、二文字法名の2種類があり、それぞれ釋の下に付けられます。
帰敬式を受けた人は四字法名が多く、上の2文字は一種の道号といってもよいです。
女性は「妙〇」とされます。
院号・室号が上に付けられ、位号として「居士」「大姉」「信士」「信女」が付けられます。

真宗高田派法名

真宗高田派法名

【時宗】

法名は仏教に帰依した人につける名で、僧侶は得度式の際に、在俗者は授戒や帰敬式、または逆修や葬式の時に授けられます。
時宗で授与される法名には院殿・院・庵・軒などの称号と、「大居士(清大姉)」「清居士(清・善大姉)」「童子」「孩子」「嬰児」「水子」などの尊称がつきます。
また、時宗の法名の特徴は、宗旨の建前として男性には”阿”女性には”弌”がつくことがあります。
阿号の由来は、宗祖一遍上人が、九州御巡化の際に宗祖自ら阿弥陀仏、他阿弥陀仏と申され、後年、法灯を三祖量阿に相続させた時に「知識のくらいになりては、衆生の呼ぶ所の名なれば、自分以降は量阿弥陀仏を捨てて、他阿弥陀仏と号されるべし、この名は一代のみならず、代々遊行かたに受け継ぐべきなり」と言われたことから、歴代遊行上人は他阿弥陀仏と称することになりました。
時宗初期教団では、男は阿弥陀仏号、女は房号、仏房号をつけたことが現代まで受け継がれているといわれています。

時宗戒名

時宗戒名

【融通念仏宗】

檀信徒または有縁者の葬儀においてその死者を導き仏門に入らしめる意義により三帰文、四弘誓願、三聚浄戒を授ける作法を行い、俗名を改めて戒名を授かることが通例となっています。
生前の授戒は「融通正宗伝法」と称する寺院の一大行事があり、寺院によって多少の格差はあるが檀信徒に入信を勧めてこの伝法に入らしめ、7日間にわたり、水行、念仏礼拝、勧誠(説法)を聞き、この伝法を満行されることにより、最終日に寺院の住職により戒名を授かります。
各末寺院では、5年目、10年目にこの行事が行われ、檀信徒は生前中にこの伝法を受けると〇〇〇〇禅定門・〇〇〇〇禅定尼となり、この伝法を2度以上受けた者にはさらに2文字追加され、〇〇〇〇〇禅定門・〇〇〇〇〇〇禅定尼となる場合があります。
一般的には〇〇〇〇信士、〇〇〇〇信女の戒名が多く、院号は過去によほどの功労者でないと授与されませんが、最近は増加傾向にあるようです。

融通念仏宗戒名

融通念仏宗戒名

【臨済宗】

臨済宗の特徴は、僧明は4文字が多く下の参考画像の□□△△の□□は道号、△△は諱名(いみな。人の死後を尊敬して贈る称号)であり、出家得度した際に師匠から頂戴する名前を安名といいます。
道号は、修行して法を説くほどの一人前になったときに付ける称号で、誰にも道号が付けられるとは限りません。
僧侶の得度式の厳格さは各宗それぞれ伝統によって格式の高いものですが、臨済宗では式前日に頭髪を剃って頭頂部に僅かに髪を残します。
戒師(戒を授ける人)が訓戒の文を唱えた後、沙弥(戒を受ける僧)は部屋を出て帝都に拝んで三拝、氏神に向って三拝、次に父母に向って三拝し、僧衣を付け、部屋に戻り仏前に三拝し、戒師の前に一拝します。
三帰式、五戒、十戒など戒が授けられますが、大切なことは出家するにあたり、氏神、父母に三拝して養育の恩に感謝することで、父母に付けて頂いた名前の大切さと同様に、仏教者としての安名を頂く大切さが臨済宗の得度式に現れています。
在家の場合、授戒会(集団で受戒する会で約一週間行われる)で授けられますが、3日間、5日間の法脈会、または1日の得度式でも授けられます。

戒名の上に冠字として、「空」一文字、「〇」(円相)を入れる場合があります

臨済宗戒名

臨済宗戒名

【曹洞宗】

曹洞宗では、出家、僧侶に関しては法名・安名といい、在家信者には戒名とします。
僧侶の法名の授与は得度式、仏道入門式で授与されます。
式は2つに区分され、ひとつは剃度(剃髪)作法、もうひとつは授菩薩戒法があります。
在家の場合は僧侶に準ずるとはいえ、略式で、葬儀の時の血脈授与の形式、机に華、炉、燭、戒尺、剃刀、血脈、安名、念珠、掛絡(けらく、安陀位ともいう)を置き、酒水器で道場を清め、戒弟の頭頂に剃刃を当てます。出家ではないので髪は剃りませんが、剃髪の偈を唱えます。
曹洞宗の戒名の特徴は、地方色豊かで、男性は「禅定門」「信士」「上座」「院居士」「院殿大居士」、女性は「禅定尼」「信女」「尼上座」「院大姉」「院殿清大姉」とランクが上っていきます。地方によっては信士(信女)と禅定門(禅定尼)の順位が逆のことがあります。
院号については、院殿号、院号、寺号、庵号、斎号、軒号など、多種多様な院号があるのが特徴です。

曹洞宗戒名

曹洞宗戒名

 

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