位牌とは

浄土真宗におけるお位牌とは?不必要な理由と作りたいときの方法を紹介

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一般的な仏教では、葬式や法要で位牌が重要な役割を果たします。
しかし、浄土真宗は位牌を使用しない宗派であり、この違いに戸惑っている方も多いでしょう。

本記事では、浄土真宗における位牌の扱いについて詳しく解説し、位牌が必要とされない理由、また、位牌を作りたい場合についても紹介します。

浄土真宗の教えに基づいた供養を正しく行うために、ぜひ最後までお読みください。

位牌とは

一般的に、家族が亡くなったら位牌を用意し、仏壇にお祀りするのが習わしです。
では、そもそも位牌とは何なのでしょうか。

浄土真宗を紹介する前に、位牌とその種類について紹介します。

そもそも位牌とは何か

位牌とは、故人様の戒名(法名)や俗名、死亡年月日などが記載された木の札のことです。

葬儀にて住職が読経を行うことで、故人の魂が位牌に宿るとされ、手を合わせる対象となります。

位牌は「白木位牌」と「本位牌」に分けられる

位牌には、大きく分けて「白木位牌」と「本位牌」に分けられます。
それぞれの特徴を確認しましょう。

白木位牌

白木位牌は、故人のお葬式後から四十九日法要まで使用される位牌です。

「仮位牌」とも呼ばれており、四十九日法要まで魂の仮の居場所として使用され、その後お寺でお焚き上げにて供養されます。

本位牌

本位牌とは、四十九日法要後に白木位牌に代わってお祀りされる位牌です。

四十九日法要の際に「開眼供養(魂入れ)」を行い、「ただの仏具」から「お祀りする対象」へと正式に変わります。
その後、本位牌は自宅の仏壇で何十年と安置されます。

浄土真宗の考え方と位牌

仏教において、人が亡くなったとき、ほとんどの場合位牌が必要になります。
しかし、仏教の中の宗派である「浄土真宗」は、位牌を必要としていません。

それは、浄土真宗はほかの宗派と異なる考え方があるからです。
ここでは、浄土真宗とは何か、考え方、位牌との関係を詳しく解説していきます。

浄土真宗は日本最大の仏教宗派

浄土真宗は、「親鸞聖人」を宗祖とする仏教における宗派です。

信者は1700万人いると言われ、日本の中でも最大級の宗派となっています。
比率にすると、仏教全体の約20%が浄土真宗の信者です。

浄土真宗は、考え方や位牌の必要性の有無など、ほかの宗派とさまざまな違いがあります。

浄土真宗の考え方

浄土真宗の考え方の1つに「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」というものがあります。

往生即成仏の考え方とは、「故人は亡くなった瞬間から極楽浄土へ向かう」という教えです。
これは、亡くなった人が煩悩から解き放たれ、すぐに成仏し、阿弥陀如来の導きによって苦しみのない極楽浄土で永遠の安らぎを得るということです。

浄土真宗では位牌を作らない

浄土真宗では、位牌を必要としていません。

位牌には、一般的に故人の魂が宿ると言われる一方で、浄土真宗の考え方は「故人は亡くなられたらすぐに極楽浄土へ向かう」という考えです。

そのため、魂が宿る位牌は必要なく、仏壇で位牌をお祀りすることもありません。

浄土真宗の真宗高田派は位牌がある

浄土真宗の中でもいくつか分派がありますが、その1つの「真宗高田派」では、位牌を作ることも認められています。

真宗高田派は、親鸞聖人の考え方を守りつつも、位牌を使うことを完全に否定していません。
また、卒塔婆(そとば)や墓石、位牌などの扱い方も、ほかの浄土真宗の分派と比較しても、少し異なるところがあります。

位牌を作りたい場合は菩提寺に相談する

浄土真宗では、基本的に位牌を必要としません。
しかし、お寺によっては作っても良いとされているところもあります。

浄土真宗で位牌を作りたい方は、1度お寺に相談するのが良いでしょう。

浄土真宗の故人の供養方法は3種類ある

浄土真宗は、基本的に位牌を必要としていませんが、故人を供養する際は、どのような方法なのでしょうか。

浄土真宗は、位牌を必要としない代わりに次の3つの方法で供養されます。

【浄土真宗における故人の供養方法①】法名軸(ほうみょうじく)

1つ目が「法名軸」を使った供養方法です。
法名軸は、故人の法名やその他の情報を記載した軸で、仏壇や祭壇に飾られます。

以下に、法名や法名軸について掘り下げて紹介します。

法名とは

法名とは、浄土真宗における仏弟子となった証に付けられる名前です。

浄土真宗以外の宗派では、「戒名(かいみょう)」と呼ばれますが、意味合いが少し異なります。
戒名は、故人に与えられた名前であるのに対し、法名は生前に仏弟子として誓いを立てて生きる際に授かる名前です。

法名軸とは

法名軸とは、法名や俗名、死亡年月などが記載された掛け軸のことです。
サイズは小さく、仏壇の内側にかけてお祀りします。

かけ方は、仏壇に向かって右側に家族や直近で亡くなった方、左側に先祖の法名が記載された「総法名軸」をかけるのが一般的です。

法名軸による供養方法

法名軸による供養方法は、通常お仏壇の内側にかけてお祀りします。
このとき、ご本尊(阿弥陀仏)が見えなくならないように気を付けましょう。

また、法要やお盆の際は、仏壇の前にかけます。
地域によっては、仏壇の前面にかけたり、盆棚に掲げたりと異なりますので、わからない場合はお寺に確認しましょう。

【浄土真宗における故人の供養方法②】過去帳

浄土真宗における故人の供養方法の2つ目が、「過去帳」を使った方法です。
こちらも詳しく解説していきます。

過去帳とは

過去帳とは、ご先祖の法名(戒名)や俗名、死亡年月などを記録しておく帳面のことです。

浄土真宗では、位牌を用意しない代わりに過去帳を用いる方もいます。
位牌の代わりとなるものですが、どちらかといえばご先祖の記録や家系図としての意味合いが強いものです。

また、浄土真宗以外の宗派では、位牌が増えすぎたときに過去帳を使用する場合もあります。

過去帳による供養方法

過去帳は、通常お仏壇の引き出しに入れて保管します。

ただし、法名軸と同様に法要やお盆、月命日の際は、過去帳台に置いて仏壇の中にお祀りします。

【浄土真宗における故人の供養方法③】位牌

浄土真宗における故人の供養方法の3つ目が、位牌を使った方法です。

浄土真宗では基本的に位牌を作りませんが、場合によっては作っても良いとされるお寺もあります。

ただし、浄土真宗で位牌を作る際には注意点もあります。

位牌で供養する場合は魂入れ(開眼供養)が必要

浄土真宗で位牌を作る際は、ほかの宗派と同様に魂入れ(開眼供養)が必要です。

通常であれば、四十九日法要で白木位牌から本位牌へ魂の移し替えが行われますが、浄土真宗の場合は白木位牌を回収してもらうだけです。

そのため、浄土真宗で位牌を作りたい場合は、事前にお寺ご住職に相談することをおすすめします。
なお、魂入れ(開眼供養)をする際は、お布施が必要ですので必ず準備しましょう。

浄土真宗における位牌の選び方

通常位牌は、故人のイメージや仏壇に合うものを選びます。

浄土真宗における位牌に関しても、通常の選び方で問題ありません。
豊富な種類があるので、故人様が喜んでくださりそうなデザインのものを選びましょう。

浄土真宗の戒名・梵字の入れ方

浄土真宗で供養する際は、「法名軸」や「過去帳」を用いますが、ほかの宗派と同様に戒名や梵字を入れる必要があります。

ここでは、浄土真宗における戒名(法名)や梵字の書き方について紹介します。

浄土真宗の場合「法名」を記載する

通常の仏教は、位牌の中央に戒名、中央上部に梵字を書きます。

一方、浄土真宗においては中央に法名、中央上部に梵字を書きますが、梵字に関しては決まりがありません。
そのため、入れても入れなくても問題ありません。

浄土真宗の法名を記載するときの注意点

浄土真宗において法名を記載するときは、基本的に「釋(釈)」から始まる3文字で書かれます。

一昔前は、男性が「釈」から始まる3文字、女性が「釈尼」から始まる4文字とされていましたが、現在はどちらとも「釋(釈)」から始まる3文字で統一されました。

しかし、お寺によっては女性が「釈尼」とされているところも残っています。

なかには、「◯◯院釈▲▲」といった院号と呼ばれる法名を与えられる方もいますが、こちらは高い身分や地位の人、功績を残した人に与えられるものです。
そのため、お渡しするお布施も多めの準備が必要です。

なお、「釋」の文字は釋のときと釈のときがありますが、基本的には白木位牌に書かれている通りになります。

また、「尼」の文字は、全角の大きな「尼」、右寄りに半角の小さめの「尼」、中央付近に半角のサイズで配置された「尼」がありますが、こちらも白木位牌に書かれている通りになりますので覚えておきましょう。

法名の下の置字「位」は入れない

通常の宗派の位牌には、「霊位」や「位」といった文字を入れますが、浄土真宗に関しては入れる必要はありません。

ほかの宗派が入れているからといって書いてしまうと、誤りになりますので書かないように気をつけましょう。

本位牌には「没」「寂」はあまり入れない

故人が亡くなってから四十九日まで使用される「白木位牌」には、「令和◯年◯月◯日没」や「令和◯年◯月◯日寂」と書かれています。

しかし、この「没」や「寂」の文字は本位牌には入れる必要はありません。
これは、浄土真宗で位牌を作るときも同様で、必要のない文字となります。

法名軸・過去帳・お位牌の費用相場

浄土真宗における供養では、法名軸や過去帳が使用され、多くの場合お寺のご住職が用意してくれますが、場合によっては自分で準備することもあります。

しかし、ご住職が用意してくれた場合のお布施や、自分で用意するときの費用などを知らない方も多いと思います。

そこで、ここからは法名軸や過去帳、位牌の費用相場に加え、法名入れに対するお布施の相場についても紹介します。

法名軸の費用相場

法名軸を使用する際は、法名軸本体と法名入れの費用が必要です。

法名軸本体は、種類によって異なりますが、およそ2,000円〜1万円です。
また、法名入れに関してはお布施を渡しますが、相場はおよそ3万円〜10万円です。

過去帳の費用相場

過去帳を使用する場合も、過去帳本体と法名入れの費用が必要です。

過去帳本体の費用相場は、法名軸と同様に2,000円〜1万円程度です。
法名入れのお布施の相場は、3万円〜5万円程度です。

お位牌の費用相場

お位牌を使用する場合は、お位牌本体、法名入れ、魂入れ(開眼供養)の3つの費用がかかります。
それぞれの費用相場は以下のようになっています。

● お位牌本体…8,000円〜15万円程度
● 法名入れ…1名分で3,000円〜1万円程度
● 魂入れ(開眼供養)…1万円〜3万円程度、四十九日法要と同時に行う場合は3万円~5万円程度

なお、位牌は豊富な素材やデザインから選べます。
相場は8,000円〜15万円程度と幅広いですが、使用する木材や装飾の違いによって価格が変動します。

まとめ

本記事では、浄土真宗における位牌とは何か、不必要とされる理由、そして作りたい場合の方法について紹介しました。

浄土真宗においては、位牌は必ずしも必要とされず、代わりに法名軸や過去帳を用いて故人を供養します。

しかし、家族の伝統や故人への敬意から、位牌の作成を希望する場合もあるでしょう。
その際は、適切な手順や費用を理解して準備することが大切です。

浄土真宗で位牌を作る際は、宗派の教えに沿いつつ、故人や家族の思いを込めた選択を心がけ、適切な供養ができるようにしましょう。

また、お位牌Makerでは、全45種類以上の豊富なバリエーションのお位牌をお客様のご要望に沿い、オーダーメイドで作成致します。
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