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法名軸とは|浄土真宗の位牌代わりの掛軸・書き方・飾り方・過去帳との違い

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浄土真宗では、四十九日のあとに「本位牌を用意してください」とは言われません。代わりに用意するのが法名軸(ほうみょうじく)という小さな掛軸です。「何を書いてもらうのか」「仏壇のどこに掛けるのか」「過去帳とどちらが必要なのか」──この記事で一通り整理します。仏壇修復にも携わるお位牌Maker®が解説します。

法名軸とは──浄土真宗で位牌の代わりに用いる掛軸

法名軸とは、故人の法名・没年月日・俗名・享年を記した掛軸で、浄土真宗で用いる仏具です。浄土真宗では「亡くなればただちに阿弥陀如来の働きで往生し仏となる(往生即成仏)」と考えるため、魂の依り代としての位牌を本来は必要としません。その供養の形が法名軸(と過去帳)です。

法名は戒名とは異なり、戒律を受けない浄土真宗では「釋〇〇/釋尼〇〇」の形で授かります(詳しくは法名とは)。なお同じ真宗でも高田派は例外的に位牌を用いるなど、地域・お寺によって異なる場合があるため、菩提寺(手次寺)にご確認ください。

法名軸に書く内容と、誰に頼むか

記載する主な内容は次のとおりです。

  • 法名(院号がある場合は「〇〇院釋〇〇」)
  • 没年月日(元号表記が一般的)
  • 俗名(生前のお名前)
  • 享年または行年

本山から院号を授与されている場合は、その本紙をそのまま表装するのが正式です。書き入れは菩提寺(手次寺)の住職に依頼するのが原則ですが、仏具店でも承っていることが多くあります。四十九日法要の2〜4週間前を目安に準備しましょう。墨書きが望ましく、ボールペンや鉛筆は避けます。

法名軸の飾り方──仏壇の右・左どちらに掛けるか

  • 仏壇に向かって右の内側に、直近で亡くなった方の個人法名軸
  • 仏壇に向かって左の内側に、先祖代々をまとめた総法名軸
  • ご本尊(阿弥陀如来)より上位にならないように掛けます

本願寺派(西)と大谷派(東)で、掛ける向きや表装の紋柄が異なります。

項目 本願寺派(西) 大谷派(東)
掛ける向き 内側向き 正面向き
表装の紋柄(例) 雲桐・矢菱牡丹など 大谷牡丹など

表装の柄で派を見分けられるため、購入前に必ずご自身の宗派をご確認ください。法名軸が増えて仏壇に入らなくなった場合は、古いものを丸めて引き出しに保管し、先祖の情報は過去帳へ移して記録するのが一般的です。

法名軸と過去帳──どちらを使う?役割の違い

項目 法名軸 過去帳
掛軸(仏壇の内側に掛ける) 折本・帳面(見台に置く)
役割 礼拝の対象になる 一族の記録台帳
記載人数 1幅1人(総法名軸は複数) 代々をまとめて記録
仏壇が小さいとき 掛けられない場合がある 過去帳のみでも可

仏壇に余裕があれば両方用意するのが望ましい形です。仏壇が小さく法名軸を掛けられない場合は、過去帳だけでも差し支えありません。過去帳は位牌の代わりというより記録台帳なので、役割が異なります(過去帳の書き方)。

法名軸の費用相場

  • 掛軸本体…2,000〜10,000円前後(素材・サイズによる)。金襴・緞子の上質なものは数万円以上
  • 書き入れ…菩提寺へのお布施として1〜10万円程度(院号がある場合は上がる傾向)。仏具店では「書き入れ料」として数千〜1万円程度のことも

サイズは「代(だい)」という単位で表され、仏壇の内寸に合わせて選びます。店頭で寸法を確認してもらうと確実です。金額はあくまで目安で、お布施は寺院によって異なります。

法名軸の手入れと処分

表装は直射日光・線香の煙・湿気(結露)で劣化します。仏壇修復に携わる立場から見ても、年月とともに表面の絹が黄ばんだり傷んだりすることがあり、これは位牌の塗りの経年劣化と同じ原理です。汚れや傷みが出てきたら、放置せず早めに仏具店か菩提寺へご相談ください。

古くなった法名軸の処分は、菩提寺(手次寺)にお焚き上げを依頼するのが正式です。仏具店が引き取りを行っている場合もあります。法名が記されたまま一般ゴミとして捨てることは避けましょう。

浄土真宗でも「位牌を作りたい」場合

教義上は本来不要ですが、他宗派のご家族と同居されている場合など、お気持ちから位牌を選ばれる方も実際にいらっしゃいます。まずは宗旨を確認し、菩提寺にご相談ください。位牌そのものをご検討の方は浄土真宗の位牌をご覧ください。

よくある質問

Q. 法名軸は必ず用意しなければいけませんか?

浄土真宗では法名軸が正式な供養の形ですが、仏壇が小さく掛けられない場合は過去帳だけでも問題ありません。迷ったときは菩提寺(手次寺)にご相談ください。

Q. 法名軸には何をどう書きますか?

中央に法名(院号があれば院号法名)、あわせて没年月日・俗名・享年を記します。院号を本山から授与されている場合は、その本紙をそのまま表装するのが正式です。書き入れは菩提寺の住職に依頼するのが原則ですが、仏具店でも承っていることが多いです。

Q. 法名軸はどこに飾りますか?右と左どちらですか?

仏壇に向かって右の内側に直近の故人の法名軸、左に総法名軸(先祖代々)を掛けるのが基本です。ご本尊より上位にならないように配置します。本願寺派は内側向き、大谷派は正面向きという違いがあります。

Q. 法名軸と過去帳はどちらか一方でよいですか?

役割が異なります。法名軸は礼拝の対象、過去帳は一族の記録台帳です。仏壇に余裕があれば両方が理想ですが、仏壇が小さい場合は過去帳のみでも構いません。

Q. 古くなった法名軸はどう処分すればよいですか?

菩提寺(手次寺)に相談してお焚き上げをお願いするのが正式です。仏具店が引き取りを行っている場合もあります。法名が記されたままゴミとして廃棄することは避けてください。

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