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年末年始の供養|大晦日から松の内まで、仏壇・位牌の前でやることを時系列で

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この記事の執筆・監修:奥本 一輝(お位牌Maker® 編集責任者)

全国の坐禅会を紹介する「坐禅会マップ」を運営。麗光堂による数多くの仏壇・仏具修復の現場経験をもとに、位牌・戒名・仏事の情報を編集・監修しています。

年末年始は、一年の感謝を込めて、仏壇やお位牌の前で故人とともに新しい年を迎える大切な時期です。「喪中で初めての正月を、どう過ごせばいいのか」「毎年の年末年始、仏壇の作法をきちんと確認したい」――そんな方に向けて、年末の大掃除から大晦日、元旦、松の内の片付けまで、「いつ・何をすればよいか」を時系列でまとめました。作法の正解よりも、心を向けることがいちばんの供養です。肩の力を抜いて読み進めてください。

本記事は、仏壇・仏具の修復を長年手がける「麗光堂」と、本位牌通販「お位牌Maker®」を運営するRKDコーポレーションが、数多くの仏壇に触れてきた経験をもとに、年末年始の供養の流れを中立の立場でご案内するものです。宗派や地域によって作法は異なりますので、迷われたときは菩提寺にご相談ください。法要全般については「法事・法要とは」もあわせてご覧ください。

この記事でわかること(年末年始の時系列)

  • 【12月】年末の仏壇掃除──漆・金箔を傷めない心得
  • 【〜28日】正月のお供え・飾ってよいもの/避けるもの
  • 【大晦日】除夜の鐘と、年越しの夜の過ごし方
  • 【元旦】新年最初の仏壇参り・白木位牌のままの場合
  • 【三が日〜松の内】年始のお墓参りと帰省先の仏壇参り
  • 【松の内以降】お供えの片付けと「お下がり」の意味
  • 喪中・初めての正月を迎える方へ

【12月上旬】年末の供養は「正月事始め」から

年末年始の供養は、新年を迎える準備=仏壇のお手入れから始まります。古くから12月13日は「正月事始め(しょうがつことはじめ)」とされ、すす払い(大掃除)を始める日とされてきました。慌ただしい年の瀬ですが、ご先祖様と故人を気持ちよくお迎えするために、早めに少しずつ進めておくと安心です。

仏壇の年末掃除──漆・金箔を傷めないための5つの心得

仏壇は、漆塗りや金箔など繊細な素材でできています。多くのご家庭の仏壇を拝見してきた中で見えてきた、かえって傷めてしまいやすいポイントをお伝えします。「きれいにしよう」と力を入れすぎないことが、いちばんのコツです。

  • まず毛ばたきでホコリを払う……いきなり布で拭くと、ホコリの粒が表面をこすって細かい傷の原因になります。やわらかな毛ばたきで上から下へ、やさしく払いましょう。
  • 金箔・金粉の部分は「触れない」が基本……金箔は驚くほど薄く、指や布で軽くこすっただけでも剥がれてしまいます。毛ばたきも、毛先ではなく芯が当たると線傷になります。金箔部分はホコリをそっと飛ばす程度にとどめてください。
  • 漆の面は「乾拭き」が基本……やわらかい乾いた布で、力を入れずに拭きます。汚れが気になるときも、水や洗剤を直接つけず、固く絞った布でそっと拭く程度に。
  • 水・中性洗剤・化学ぞうきんは使わない……漆は水分や薬品に弱く、シミやくもりの原因になります。重曹や塩素系の洗剤も避けてください。
  • 落ちない汚れは、無理をしない……線香やろうそくの煤(すす)は、年月をかけて少しずつ蓄積します。自分で落とせない汚れは、無理にこすらず、そのままにしておくほうが安全です。力任せの掃除がいちばん傷めます。

掃除の具体的な手順や道具選びは「仏壇の掃除のしかた」で詳しく解説しています。お位牌も、やわらかい布でそっとホコリを払う程度のお手入れで十分です。

【12月中旬〜28日】正月のしつらえ──飾ってよいもの・避けるもの

仏壇を清めたら、お正月のお供えを整えます。お供えの基本は、香・花・灯明・浄水・飲食の「五供(ごくう)」。年末年始は、これにお正月らしいお供えを加えます。

飾る日にちで避けたほうがよい日

お正月飾りを準備するなら、12月28日までに整えるのが一般的です。29日は「二重苦」に通じる、31日は「一夜飾り」で礼を欠くとして避ける慣習があります。仏教としてこれらの日を禁じる決まりはありませんが、気になる方は28日までを目安にするとよいでしょう。

仏壇に飾ってよいもの・避けるもの

お正月に仏壇へお供えするものと、そうでないものがあります。しめ縄・門松・破魔矢などは、年神様をお迎えする神道由来の正月飾りのため、仏様・ご先祖様をお祀りする仏壇には飾りません。

仏壇に向くもの 仏壇には飾らないもの
鏡餅(小ぶりのもの)・お正月用の打敷(うちしき)・仏花・御霊供膳(おりょうぐぜん)・故人の好物 しめ縄・門松・破魔矢・鏡餅の上のだいだい等の縁起飾り(神道の正月飾り)

お供えの品目や置き方の詳細は「仏壇のお供えの基本」、飾り付けの配置は「仏壇の飾り方」、お正月のお花選びは「仏壇の花」をご参照ください。

喪中の場合のしつらえ

喪中であっても、香・花・灯明・浄水・飲食という日々の供養は、いつもどおり続けます。一方で、鏡餅や打敷といった「お祝いの色合いが強い飾り」は、故人が亡くなって日が浅い場合(特に四十九日前の忌中)は控えるご家庭が多くあります。正解はひとつではありませんので、迷うときは菩提寺にご相談ください。喪中の過ごし方や年賀状については「喪中とは──してはいけないこと・過ごし方」で詳しくご案内しています。

【12月31日・大晦日】年越しの夜、仏壇・位牌の前で

除夜の鐘は、喪中でも

大晦日の夜に響く除夜の鐘は、人の心にある百八の煩悩を払うための仏教行事です。新年を「お祝いする」行事ではないため、喪中の方でも、心安らかに耳を傾けて構いません。年越しそばも、長寿を願う昔ながらの習慣であり、忌中・喪中を問わずいただいて差し支えありません。

故人に「今年もありがとう」を伝える

にぎやかなカウントダウンの代わりに、除夜の鐘を聞きながら、仏壇やお位牌の前にそっと座り、線香を灯して手を合わせる――そんな年越しもあります。一年の感謝と、故人とともに過ごせた時間への想いを、静かに伝えてあげてください。難しい作法は要りません。気持ちを向けることが、何よりの供養です。

【1月1日・元旦】新年最初の仏壇参り

元旦の朝、まず仏壇へ

新年を迎えたら、初詣やおせちの前に、まず仏壇とお位牌に新年のご挨拶をしてみてください。新しいお水とお供えを整え、「今年もどうぞ見守ってください」と手を合わせる。故人やご先祖様とともに新しい年を迎える――その心持ちが、一年の供養の出発点になります。

初めて喪中で正月を迎える方へ

大切な方を亡くされて初めての正月は、「おめでとう」という言葉を、素直に口にできないものです。それでいいのです。無理に明るくふるまう必要も、特別なことをする必要もありません。いつものように仏壇の前に座り、静かに手を合わせる。その時間こそが、悲しみと向き合い、少しずつ前へ進んでいくための、やさしい時間になります。

白木位牌のまま年を越した場合は

四十九日が年末年始に重なり、白木位牌のまま新年を迎えることもあります。これは何の問題もありません。白木位牌は四十九日法要までの「仮のお位牌」で、本位牌(塗位牌・唐木位牌など)へは、四十九日の法要で開眼供養とともに移すのが一般的な流れです。年末年始だからと焦る必要はなく、法要が落ち着いてから、菩提寺のお坊さまとともに準備を進めてください。なお、浄土真宗では本位牌を用いず、法名軸や過去帳にお名前を記すのが一般的です(詳しくは「浄土真宗の位牌」)。宗派が不明な場合は菩提寺にご確認ください。白木位牌と本位牌の違いは「白木位牌(仮位牌)とは」、法要の流れは「四十九日法要」をご参照ください。

【1月1日〜松の内】年始のお墓参りと帰省先の仏壇参り

年末年始のお墓参りは、いつ行く?

年末年始のお墓参りに、厳密な決まりはありません。年末の墓掃除を兼ねて行く方、三が日や松の内に行く方、どちらもいらっしゃいます。ただし12月29日・31日は前述の理由で避ける方が多いようです。お墓参りの手順や持ち物は「お墓参りの作法」をご覧ください。

帰省先で、実家の仏壇に参るとき

年始の帰省で、ご実家やご親族の仏壇に手を合わせる機会もあるでしょう。宗派が分からなくても、心配は要りません。線香を1本立て(または香炉に寝かせ)、数珠がなければ合掌だけでも失礼にはあたりません。大切なのは作法の正しさよりも、故人とご先祖様に手を合わせ、感謝を伝える気持ちです。より丁寧にしたいときは、その家の方に「どのようにお参りすればよいですか」と一言うかがうと自然です。

喪中の初詣について

喪中の初詣は、神社とお寺で考え方が異なります。神道では、忌中(目安として四十九日法要が終わるまで)は神社への参拝を控えるのが一般的とされています。一方、お寺はもともと故人を供養する場所ですので、忌中・喪中でも参拝して構いません。詳しくは「喪中とは」をご参照ください。

【松の内以降】お供えの片付けと「お下がり」

松の内(関東は1月7日、関西は1月15日ごろ)を過ぎたら、お正月のお供えを下げます。鏡餅は鏡開き(関東は1月11日ごろ、地域によって異なります)にいただくのが習わしです。

仏壇にお供えした食べ物は、「お下がり」として家族でいただくのが供養になります。故人が好きだったものをお供えし、同じものを家族で味わう――それは「供えたものを通じて、故人と食をともにする」という、あたたかな意味を持っています。どうしても食べられない場合は、白い紙に包んでお下げして構いません。特別な作法は要りません。「ありがとう」の気持ちを添えることが大切です。

年末年始の供養でよくあるご質問(FAQ)

Q1. 12月29日や31日に仏壇の正月飾りを準備してもいいですか?

29日は「二重苦」に通じる、31日は「一夜飾り」で礼を欠くとして、縁起の面から避ける慣習があります。仏教としてこれらの日を禁じる決まりはありませんが、気になる場合は12月28日までに整えるのが一般的です。

Q2. 喪中の場合、仏壇に鏡餅や打敷を飾ってもいいですか?

香・花・灯明・浄水・飲食という日々のお供えは、喪中でもいつもどおり続けます。一方、鏡餅や打敷など「お祝いの色合いが強い飾り」は、亡くなって日が浅い場合(特に四十九日前の忌中)は控えるご家庭が多くあります。正解はひとつではないので、迷う場合は菩提寺にご確認ください。

Q3. 白木位牌のまま年越しになりそうですが、本位牌へ移すのを急ぐ必要がありますか?

焦る必要はありません。白木位牌は四十九日法要までの仮のお位牌で、本位牌へは法要の際に開眼供養とともに移すのが一般的な流れです。年末年始に法要が重なっても、白木位牌のまま新年を迎えて問題ありません。法要が落ち着いてから、菩提寺とともに本位牌の準備を進めてください。

Q4. 大晦日の夜、除夜の鐘を聞きながら仏壇の前に座るのは正しい過ごし方ですか?

はい。除夜の鐘は百八の煩悩を払う仏教行事であり、新年をお祝いする行事ではないため、喪中の方でも自然に参加できます。年越しの瞬間に仏壇やお位牌の前で手を合わせ、故人に一年の感謝を伝えることは、意味のある供養の過ごし方です。

Q5. 帰省先の仏壇に参拝するとき、宗派が分からない場合はどうすればよいですか?

宗派の作法が分からなくても、線香を1本立て(または寝かせ)、数珠がなければ合掌だけで問題ありません。作法の正しさよりも、故人やご先祖様に手を合わせ感謝を伝えることが供養の本質です。より丁寧にしたい場合は、その家の方に作法を一言うかがうと安心です。

Q6. お正月のお供えを下げた後、食べ物はどう扱えばよいですか?

仏壇にお供えした食べ物は「お下がり」として家族でいただくのが供養になります。故人の好物をお供えし、家族で同じものを味わうことには「供物を通じて故人と食をともにする」という意味があります。食べられない場合は、白い紙に包んでお下げして差し支えありません。

まとめ──故人とともに、新しい年を

年末年始の供養は、年末の仏壇掃除に始まり、お正月のお供え、大晦日の除夜の鐘、元旦のご挨拶、松の内の片付けへと続きます。一つひとつに難しい正解はありません。大切なのは、故人やご先祖様に心を向け、感謝とともに新しい年を迎えることです。喪中で迎える初めての正月も、どうかご自分のペースで、静かに手を合わせてください。

なお、四十九日を終えて本位牌をご用意される際は、お位牌Maker®が塗・唐木・モダンなど100種類以上のお位牌を、文字入れ無料でお作りしています。

年中の供養の節目については「お盆」「お彼岸」、仏事全般は「法事・法要とは」もあわせてご覧ください。

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