本位牌1万円〜・文字入れ送料込み・全国対応|塗位牌・唐木位牌・モダン位牌・会津呂色まで100種類以上

位牌通販のお位牌Maker®

未分類

浄土真宗の過去帳|書き方・法名の記入と本願寺派・大谷派の違い

投稿日:

結論:浄土真宗は「位牌」ではなく「過去帳」「法名軸」で故人を記します

浄土真宗(本願寺派・大谷派など)では、ほかの多くの宗派で用いる位牌を本来は用いず、故人のお名前は「過去帳(かこちょう)」または「法名軸(ほうみょうじく)」に記すのが基本の考え方です。授かるお名前も「戒名」ではなく「法名(ほうみょう)」と呼びます。まずは要点を先にまとめます。

項目 浄土真宗での考え方(一般的な傾向)
位牌 本来は用いないのが基本。ただし地域・ご家庭・お寺により用いる例もある
過去帳 家系代々のお名前を書き継ぐ記録帳。見台(けんだい)にのせてお祀りする
法名軸 より正式な掛軸。年月の浅い故人や思い入れの深い近親者に用いることが多い
故人の名 「戒名」ではなく「法名」。基本は「釋(しゃく)+二字」
書かない表現 「霊位」「之精霊」「先祖代々之霊位」は一般に用いない
派による差 飾り方や表記に傾向差はあるが、記入する内容そのものは大きく変わらない
迷ったら 菩提寺(手次寺・所属のお寺)の住職に確認するのが確実

この記事では、なぜ位牌を用いないのかという教えの背景から、法名の書き方、過去帳への記入項目、本願寺派(お西)と大谷派(お東)の違い、お布施の目安までを、仏壇仏具の修復を手がけてきた立場から、できるだけ中立にご説明します。作法には諸説あり、地域やお寺によって考え方が異なることも多いため、迷われたときは最終的にお付き合いのあるお寺へご確認いただくことをおすすめします。

なぜ浄土真宗は位牌を用いないのか──「往生即成仏」の考え方

亡くなればすぐ阿弥陀仏のはたらきで浄土に往生すると考える

浄土真宗では、人は亡くなると阿弥陀仏(あみだぶつ)のはたらきによってただちにお浄土に往生し、仏となると受けとめます。これを「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」といった言い方で説明することがあります。この考え方に立つと、故人の霊魂がこの世にとどまり、位牌に宿るという発想を取りません。そのため、位牌に代えて、故人の法名や俗名を書きとめる過去帳や法名軸を中心にお祀りするかたちが受け継がれてきました。

過去帳や法名軸は、いわば「亡き方をしのび、その仏縁に手を合わせるための記録・よりどころ」です。霊がそこに宿ると考えるのではなく、私たちがその名を通して故人を思い、いのちのつながりに感謝する対象として大切にする、という位置づけになります。教えの細やかな言い回しは宗派の公式なご説明に譲りますが、位牌を用いない背景には、このような救いの受けとめ方があると理解しておくとよいでしょう。

「追善供養」ではなく「報恩感謝」という受けとめ

他の多くの宗派には、遺された者の善い行い(追善)を故人に振り向け、より良い往生を願う追善供養(ついぜんくよう)という考え方があります。これに対して浄土真宗では、故人はすでに阿弥陀仏のはたらきによって浄土に往生し仏となっている、と受けとめるため、こちらの功徳を故人に「回し向ける」という発想を基本的に取りません。法事や日々のお参りは、故人の冥福を願うためというより、先だった方を縁として、いま生かされている自分が仏の教えに出遇い、いのちのつながりに感謝する場(報恩感謝)と受けとめられます。過去帳や法名軸に手を合わせる意味合いも、この受けとめ方の延長線上にあり、「霊位」という表現を用いないのも、根はここでつながっています。ただし、こうした教えの言い回しやニュアンスにはお寺による説明の幅がありますので、詳しくは手次寺やご宗派の公式なご説明にお尋ねください。

ただし位牌を用いるご家庭・地域もあります──無理には勧めません

一方で、「浄土真宗は位牌をいっさい使わない」と言いきれるかというと、必ずしもそうではありません。地域の慣習やご家庭の事情、あるいはお寺の指導によって、位牌(繰り出し位牌を含む)を用いておられる例も現実にはあります。ご先祖から受け継いだ位牌がすでにあるご家庭もあるでしょう。

当社は位牌を扱う立場ですが、浄土真宗のお宅に位牌を無理におすすめすることはいたしません。基本は過去帳・法名軸であり、位牌を用いるかどうかはお寺やご家族のお考えを尊重するのが筋だと考えています。もしすでに位牌をお持ちで扱いに迷われている場合や、地域の慣習で位牌を用いる場合の考え方については、浄土真宗の位牌繰り出し位牌の記事で別途整理していますので、必要な方だけご参照ください。

過去帳と法名軸の違い・使い分け

過去帳=代々のお名前を書き継ぐ「記録」

過去帳は、ご先祖から現在に至るまでの故人のお名前や命日を書き継いでいく、いわば家系の記録帳です。多くはじゃばら折りの帳面で、仏壇の中や近くに置いた見台(けんだい)にのせてお祀りします。日ごろは閉じておき、命日やお参りのときに開いて手を合わせる、という使い方が一般的です。何代にもわたって書き継いでいけるため、一冊で家の供養の歴史をたどれるのが特徴です。

長く書き継いでいくと過去帳の紙面がいっぱいになることもありますが、その場合は二冊目を新たにととのえて続けていくのが一般的です。役目を終えた古い過去帳も粗末にせず、あわせて仏壇まわりに納めておきます。世帯を分けた(分家した)ときに新しく一冊を起こすかどうかも、家のあり方やお寺のお考えによりますので、手次寺に相談しながら決めるとよいでしょう。古い過去帳の扱いに迷うときも、自己判断で処分せず、お寺に相談してください。

法名軸=より正式な「掛軸」

法名軸は、故人の法名を記した掛軸です。仏壇の内側の左右の壁面などに掛けてお祀りするのが一般的で、過去帳よりもあらためて丁寧なかたちとされます。亡くなって年月の浅い故人や、思い入れの深い近親者について個別に法名軸を用意し、一定の年忌を区切りとして過去帳に書き移していく、という受け継ぎ方をされるご家庭もあります。かけ方や仏壇内での位置は宗派の傾向や仏壇の形状によって異なりますので、掛ける場所に迷ったらお寺に伺うと安心です。法名軸そのものの意味やととのえ方は法名軸の記事で詳しくご紹介しています。

なお、法名軸は永代にわたって掛け続けるというより、三十三回忌や五十回忌といった年忌の区切り(弔い上げ)をひとつの目安に、過去帳へ記録を移していくとされることもあります。掛けておける本数にも限りがあるため、近い年忌のうちは法名軸で個別にお祀りし、年月を経た故人は過去帳にまとめる、という受け継ぎ方が自然です。ただしこの区切りにも地域やお寺による考え方の幅がありますので、いつ書き移すかは手次寺に相談すると迷いがありません。

併用が最も丁寧/どちらか一方でも差し支えありません

「過去帳と法名軸のどちらを用意すべきか」と迷われる方は多いのですが、決まった正解はありません。両方をととのえるのが最も丁寧なかたちとされますが、ご家庭の事情に合わせてどちらか一方だけでも差し支えないと考えてよいでしょう。使い分けのイメージを表にまとめます。

過去帳 法名軸
性格 代々を書き継ぐ記録帳 個別の故人を記す掛軸(より正式)
祀り方 見台にのせる/普段は閉じておく 仏壇内の壁面などに掛ける
向いている場面 ご先祖全体をまとめて記録したい 年月の浅い故人・近親者を丁寧に
併用 両方そろえると丁寧。年忌を区切りに法名軸から過去帳へ書き移す例も

「戒名」ではなく「法名」──法名の構成と書き方

法名の基本は「釋(しゃく)+二字」/院号法名は「○○院釋○○」

浄土真宗で授かるお名前は「法名」で、他宗の「戒名」とは呼び方も考え方も異なります。法名の基本の形は、お釈迦さまの弟子となることを表す「釋(しゃく)」の一字に、二字の法名を続けた「釋○○」という三文字です。さらに、寺院や宗門への貢献などにより「院号(いんごう)」を賜った場合は「○○院釋○○」という形になります。過去帳や法名軸には、この授かった法名をそのまま記します。

二字の法名は、故人の生前のお名前から一字をいただいたり、その方の人柄や仏縁にちなんだ字を、経典や宗祖・親鸞聖人にゆかりの語などから選んで、お寺に付けていただくのが一般的です。自分で勝手に決めるものではなく、お寺を通じて授かるという点は押さえておきたいところです。過去帳や法名軸には、この授かった二字を「釋」に続けて記します。

「位(くらい)」による文字数の格差がない/女性の「釋尼」は近年用いない傾向にも触れる

他宗の戒名には「居士」「大姉」「信士」「信女」といった位号があり、文字数や格に差が生まれますが、浄土真宗の法名にはこうした位による格差の考え方が基本的にありません。老若男女を問わず「釋○○」を基本とするのが、平等な救いを説く教えにかなったかたちとされています。

なお、かつては女性の法名に「尼」の字を加えて「釋尼(しゃくに)○○」と記す慣習が広く見られました。ただし近年は、男女ともに「釋○○」で統一し、あえて「釋尼」を用いないお寺も増えているといわれます。どちらが正しいと一律に決まっているわけではなく、お寺のお考えや過去に授かった法名の表記に合わせるのが基本ですので、迷ったら住職に確認してください。

法名は亡くなってからだけでなく、生前にも授かれる(帰敬式)

法名というと「亡くなったときに授かるもの」という印象が強いかもしれませんが、浄土真宗では生前に法名を授かる道も開かれています。本山などで営まれる帰敬式(ききょうしき/おかみそり)を受け、阿弥陀仏の教えに帰依する者として法名をいただくもので、この場合は存命のうちから自分の法名が定まります。生前に授かった法名は、亡くなったあとの過去帳や法名軸にもそのまま用います。すでにご本人が帰敬式を受けておられたかどうかは、手次寺やご本人の記録で確認できますので、あらためて法名を付けていただく前に一度たしかめておくとよいでしょう。

法名の意味・戒名との違いをもっと知りたい方へ

「そもそも法名とは何か」「戒名と何がどう違うのか」を掘り下げたい方は、法名とは、および法名と戒名の違いの記事で詳しくご説明しています。本記事は「過去帳・法名軸への記し方」に絞ってご案内します。

過去帳への記入項目──法名・俗名・命日・年齢(享年/行年)

過去帳に書き入れる基本の項目は、次のとおりです。順序やレイアウトには地域差・書式差がありますが、内容としては大きく変わりません。

  • 法名(釋○○、院号があれば○○院釋○○)
  • 俗名(生前のお名前)
  • 命日(亡くなった年月日)
  • 年齢(享年または行年)

享年・行年の数え方や、数え年・満年齢の扱いには細かな考え方の違いがあります。この点は全宗派に共通する内容のため、本記事では深入りせず過去帳の書き方(全宗派共通の基本)に譲ります。縦書きのレイアウトや、誰が書くかといった一般的な進め方も、あわせてそちらでご確認いただけます。

浄土真宗で書かない表現──「霊位」「之精霊」は用いない

浄土真宗の過去帳で特に気をつけたいのが、「霊」にまつわる表現を用いないという点です。他宗ではよく見られる「○○家先祖代々之霊位」「之精霊(のしょうりょう)」といった書き方は、霊魂がこの世にとどまるという発想を前提にしているため、往生即成仏を説く浄土真宗では一般に用いません。位牌を用いないのと同じ考え方から来る作法です。

これは複数の寺院・仏具の資料でおおむね一致する確度の高い点ですが、地域によって細かな慣習の違いはありえます。迷われたときはお寺に確認していただくのが確実です。

表題は「○○家過去帳」「○○家」と記す

過去帳の表紙や表題には、「霊位」を避けて「○○家過去帳」あるいは単に「○○家」と記すのが無難です。ここでも「先祖代々之霊位」といった表現は用いないのが浄土真宗らしいかたちとされています。

命日のページに書く──日付入り過去帳の使い方

過去帳には、大きく分けて「日付が入っていないもの」と「一日から三十一日までの日付があらかじめ入っているもの」があります。日付入りの過去帳を用いる場合は、故人の命日にあたる日付のページを開き、そこにお名前を記入するという使い方をします。たとえば十五日に亡くなった方は「十五日」のページに記します。こうしておくと、毎月その日(月命日)に過去帳を開いてお参りしやすくなります。

複数のご先祖が同じ日付のページに並ぶこともありますが、それは自然なことです。日付あり・なしのどちらを選ぶか、書き入れる位置や順序といった一般的な選び方は、過去帳の書き方の記事にまとめていますので、そちらもあわせてご覧ください。

お盆・お彼岸・年忌に過去帳を開く

過去帳は普段は閉じて見台にのせておき、月命日やお盆・お彼岸、年忌法要の折に、その方のページを開いてお参りするのが一般的な用い方です。浄土真宗ではお盆を「歓喜会(かんぎえ)」と呼ぶこともあり、いわゆる霊が帰ってくるという受けとめ方ではなく、亡き方を縁として仏縁を慶ぶ機会ととらえます。迎え火・送り火や精霊棚といった風習を重んじない地域・お寺が多いのも、この受けとめ方によるところがあるといわれます。とはいえお盆やお彼岸の過ごし方にも地域差が大きいので、迎え方に迷ったら手次寺にたずねるのが確実です。

過去帳・法名軸を新しく用意するときの流れ

浄土真宗で過去帳や法名軸を新しくととのえる場合、多くは四十九日の法要までを一つの区切りとして用意されます。葬儀の場では白木の仮位牌が用いられることもありますが、浄土真宗では忌明け以降にこれを塗りの本位牌へ改めることはせず、過去帳や法名軸に記して受け継いでいくのが基本の考え方です。もっとも「必ずこの日までに」という厳密な決まりがあるわけではなく、納骨や一周忌までにととのえられるご家庭もあります。急かされるものではありませんので、お寺のご都合と合わせて無理のない範囲で進めてください。

用意したあとの法名の記入は、手次寺の住職にお願いするのが最も丁寧とされます。四十九日や納骨などの法要の折に持参し、その場で、あるいは預けて記していただく形が多いようです。ご自身で書き入れる場合も、授かった法名の一字一句をお寺に確認してから記すと安心です。どのような紙質・様式の過去帳を選ぶか、購入場所や価格帯といった具体的な選び方は過去帳の値段・記入費用で整理していますので、あわせてご覧ください。

本願寺派(お西)と大谷派(お東)の主な違い

浄土真宗の中でも代表的な本願寺派(通称・お西)と真宗大谷派(通称・お東)では、飾り方や表記の細部に傾向の違いがあるといわれます。ただし「必ずこう」と断定できるものではなく、あくまで一般的な傾向です。過去帳や法名軸を用意する際は、次のような点に違いが出ることがあります。

法名軸の飾り方・仏壇まわりの荘厳に傾向差

法名軸のかけ方や仏壇内での位置、荘厳(しょうごん=お飾り)の細部には、派によって受け継がれてきた傾向差があるといわれます。仏具の色や形の好み、打敷(うちしき)などの飾り方が異なることもあります。ただしこれらは仏壇の形状や地域の慣習にも左右されるため、掛ける場所やお飾りに迷ったら、実際にお付き合いのあるお寺に伺うのが確実です。

表記・呼称の傾向にも触れておく

お名前の呼び方は、いずれの派でも基本は「法名」です。文脈によって「法号」という語が使われる場面を見かけることもありますが、浄土真宗の基本はあくまで「法名」であり、他宗の「戒名」とも混同しないよう注意してください。表記の細かな慣習は派やお寺によって異なることがあるため、過去に授かった法名の書き方に合わせるのが安心です。

どちらの派か分からないときの手がかり

「うちがお西かお東か分からない」という方は少なくありません。いくつかの手がかりをあげると、まずご本山の呼び名で、本願寺派は西本願寺(京都・龍谷山本願寺)、大谷派は東本願寺(京都・真宗本廟)を本山とします。ほかにも、お焼香の回数は一般に本願寺派が一回、大谷派が二回とされ(いずれも香を額に押しいただかないのが作法といわれます)、仏壇や金仏具の様式にも傾向差があるといわれます。とはいえこれらはあくまで目安で例外もあります。最も確実なのは、これまでご葬儀や年忌法要をお願いしてきたお寺に直接うかがうことです。仏壇の購入元や、すでにいただいた法名の書式から分かることもあります。

記入する内容そのものは大きく変わらない/最終判断は手次寺の住職へ

飾り方や荘厳に傾向差はあっても、過去帳に記入する項目(法名・俗名・命日・年齢)そのものは、お西・お東で大きく変わるものではありません。「霊位・精霊を用いない」「釋○○を基本とする」といった浄土真宗共通の作法も同じです。ご自宅がどちらの派か分からない場合や、細部の判断に迷う場合は、手次寺(所属のお寺)の住職にお尋ねいただくのが一番確実です。

自分で書くか、お寺に依頼するか──お布施の目安

四十九日に住職へ依頼するのが最も丁寧/ご家族が書いても差し支えない

過去帳への記入は、四十九日の法要などの折に、住職に書いていただくのが最も丁寧とされています。授かった法名を正式に記していただけるため、安心感もあります。一方で、ご家族が自分で書き入れても差し支えありません。心を込めて丁寧に記すことが何より大切です。ご自身で書かれる場合も、授かった法名の表記だけは事前にお寺に確認しておくと間違いがありません。

お布施は「目安・幅」で/費用の詳しい比較は別記事へ

お寺に記入をお願いする際のお布施は、決まった料金や定価があるわけではありません。数千円から一万円ほどを一つの目安として包まれる方が多いようですが、これはあくまで目安で、地域やお寺のお考え、法要と合わせてお渡しするかどうかによっても幅があります。金額に迷う場合は、遠慮なくお寺に「どのようにさせていただければよいでしょうか」と伺って構いません。

お布施は、サービスへの対価(料金)というより、ご本尊・お寺へのお礼としてお包みするものと受けとめられています。表書きは「御布施」とし、袱紗(ふくさ)に包んでお渡しするのが丁寧です。過去帳の記入だけを単独でお願いする場合と、四十九日などの法要とあわせてお願いする場合とで包み方の考え方も変わりますので、この点も含めてお寺に率直にうかがって差し支えありません。過去帳本体や見台の価格帯、記入依頼の費用の考え方、購入場所などの具体的な費用面は、過去帳の値段・記入費用の記事で詳しく整理していますので、あわせてご覧ください。

筆記具・墨・書き損じの要点(詳しくは一般記事へ)

過去帳や法名軸は、何代にもわたって受け継いでいくものです。仏壇仏具の修復の現場から一点だけお伝えすると、直射日光や湿気による退色・シミには注意が必要です。長く美しく残すために、保管場所や、にじみにくい墨・筆記具選びに気を配るとよいでしょう。

なお、よくある誤解として「四十九日までは薄墨で書く」というものがありますが、薄墨は香典袋の表書きなどに用いる弔事のマナーであって、過去帳とは別の話です。過去帳は末永く読めるよう、濃い墨で丁寧に記すのが基本です。筆記具の選び方や書き損じたときの対処といった一般的な進め方は、過去帳の書き方にまとめていますので、そちらをご確認ください。

まとめ──浄土真宗は過去帳・法名軸が中心

ここまでの要点を振り返ります。浄土真宗では往生即成仏の受けとめから位牌を本来は用いず、故人のお名前は過去帳・法名軸に記します。授かる名は「戒名」ではなく「法名(釋○○)」で、位による格差がなく、「霊位」「之精霊」は用いません。本願寺派・大谷派で飾り方の傾向差はあっても記入内容は大きく変わらず、迷ったら手次寺に確認するのが確実です。

関連する内容として、名前の意味は法名とは、掛軸のととのえ方は法名軸、位牌を用いる場合の考え方は浄土真宗の位牌で扱っています。日々のお参りやご先祖への向き合い方については先祖供養もあわせてご覧ください。

過去帳や法名軸は、あくまで祈りをかたちにするための依り代です。立派な道具をそろえること以上に大切なのは、その名を通して手を合わせ、故人を偲び、受け継いだいのちのつながりに感謝する日々の心にあります。

よくある質問(FAQ)

浄土真宗でも位牌を作ってよいのですか?

浄土真宗では本来、位牌を用いず過去帳や法名軸で故人を記すのが基本です。ただし地域の慣習やご家庭の事情、お寺の指導によって位牌を用いる例もあります。当社から位牌を無理におすすめすることはありませんので、まずは手次寺(所属のお寺)のお考えを確認し、それに沿ってご判断ください。

法名軸と過去帳、どちらを用意すべきですか?

決まった正解はありません。両方そろえるのが最も丁寧なかたちとされますが、ご家庭の事情に合わせてどちらか一方だけでも差し支えありません。年月の浅い故人には法名軸、代々をまとめて記録するには過去帳、というように性格が異なりますので、使い分けや併用を目安にお選びください。

過去帳は自分で書いてもよいのですか?

ご家族が書き入れても差し支えありません。四十九日の折などに住職へお願いするのが最も丁寧ですが、ご自身で書かれる場合も、授かった法名の正しい表記だけは事前にお寺へ確認しておくと安心です。長く残るものですので、濃い墨で丁寧にお書きください。

女性の法名に「釋尼」は書くべきですか?

かつては女性に「釋尼○○」と記す慣習が広く見られましたが、近年は男女ともに「釋○○」で統一し、あえて「釋尼」を用いないお寺も増えているといわれます。どちらが正しいと一律に決まっているわけではないため、お寺のお考えや、すでに授かった法名の表記に合わせるのが基本です。

本願寺派か大谷派か分からないときはどうすればよいですか?

過去帳に記入する項目(法名・俗名・命日・年齢)は、お西・お東で大きく変わりません。飾り方などの細部に傾向差はありますが、まずは手次寺(所属のお寺)に伺うのが確実です。ご先祖の法要をお願いしてきたお寺や、仏壇の由来をたどると、どちらの派かが分かる手がかりになります。

過去帳の記入をお寺に頼むと、お布施はいくら包めばよいですか?

決まった料金や定価はありません。数千円から一万円ほどを一つの目安として包まれる方が多いようですが、地域やお寺のお考え、法要と合わせてお渡しするかどうかによって幅があります。迷う場合は、お寺に「どのようにさせていただければよいでしょうか」と率直に伺って構いません。費用の詳細は過去帳の値段の記事もご参照ください。

この記事の執筆・監修者

奥本 一輝(お位牌Maker® 編集責任者)

全国の坐禅会を紹介する「坐禅会マップ」を運営。麗光堂による数多くの仏壇・仏具修復の現場経験をもとに、位牌・戒名・仏事の情報を編集・監修しています。

-未分類

Copyright© 位牌通販のお位牌Maker® , 2026 All Rights Reserved.