初盆(はつぼん)・新盆(にいぼん)は、四十九日の忌明けのあと、故人を初めて家にお迎えするお盆です。通常のお盆よりもていねいに営むのが一般的で、お寺への依頼や盆飾りなど、早めの準備が必要になります。
この記事では、はじめて初盆を迎える喪主・施主に向けて、いつ行うか・何を準備するか・当日の流れ・お布施や服装のマナー・宗派別の違いまでを順を追って解説します。
- お寺への連絡は1〜2か月前に(お盆は寺院が最も忙しい時期です)
- 準備の柱は「法要」「盆飾り」「返礼品」の3つ
- 宗派(特に浄土真宗)によって作法が大きく異なります
初盆(新盆)とは?四十九日との関係
初盆と新盆は同じ意味で、地域によって呼び方が異なります(西日本では「初盆」、東日本では「新盆」と呼ぶ傾向)。読み方も「にいぼん」「あらぼん」など地域差があります。
四十九日の前にお盆が来たら、翌年が初盆
初盆は「四十九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆」です。そのため、四十九日より前にお盆が来てしまう場合は、その年は初盆にならず、翌年のお盆が初盆になります。たとえば7月や8月初旬に亡くなった場合、その年のお盆までに四十九日が明けないことが多く、初盆は翌年になります。四十九日法要そのものについては「四十九日法要 完全ガイド」をご覧ください。
初盆と通常のお盆の違い
初盆は、毎年のお盆とくらべて次の点がていねいになります。
| 項目 | 初盆(新盆) | 通常のお盆 |
|---|---|---|
| 法要 | 僧侶を招いて読経してもらうことが多い | 家族でお参りする程度が多い |
| 招く範囲 | 親族・親しい友人を招くことも | 家族中心 |
| 提灯 | 白提灯(白紋天)を用意する | 絵柄入りの盆提灯 |
| 服装 | 喪主・遺族は略式喪服が基本 | 平服 |
| お布施 | 読経のお礼として包む | 不要なことが多い |
2026年のお盆の時期(地域別)
| 区分 | 主な地域 | 2026年の時期 |
|---|---|---|
| 8月盆(旧盆) | 全国的に多い | 8月13日〜16日 |
| 7月盆(新盆) | 東京・横浜・東北の一部 など | 7月13日〜16日 |
| 旧暦盆 | 沖縄・奄美 など | 旧暦7月15日前後(年により変動) |
初盆の準備──1〜2か月前からやること
- ①寺院への連絡・法要日程の決定……お盆は寺院が最繁忙期。早めの依頼が必須です
- ②参列者への案内・会場と会食(お斎)の手配
- ③盆飾りの準備……精霊棚(盆棚)・白提灯・お供え物など(下記)
- ④お布施・返礼品の準備(金額の目安・表書きは後述)
- ⑤白木位牌のままになっていないか確認
初盆を前に──白木位牌のままになっていませんか?
本位牌への切り替えは四十九日法要が基本ですが、間に合わなかった場合は初盆の法要前に菩提寺へ相談し、本位牌を用意するのがおすすめです(お寺によっては初盆まで白木位牌を安置する慣習もあります)。本位牌は戒名を彫る工程があるため早めの手配が安心で、お位牌Maker®は最短当日発送に対応しています。発注の目安は「位牌はいつまでに作る?」、白木位牌との違いは「白木位牌とは」をご覧ください。
盆飾りの基礎知識──精霊棚・白提灯・精霊馬
初盆では、故人の霊をお迎えするための飾りを整えます。
- 精霊棚(盆棚)……位牌やお供えを置く棚。真菰(まこも)を敷き、季節の果物・故人の好物などを供えます
- 白提灯(白紋天)……初盆だけ用いる白い提灯。清浄な気持ちで初めて霊を迎える意味があります。お盆のあとは菩提寺でお焚き上げ、または送り火で燃やすのが習わしです
- 精霊馬(しょうりょううま)……きゅうり(馬)・なす(牛)で作り、行き帰りの乗り物に見立てます(地域差あり)
- 迎え火・送り火……13日に迎え火で霊を迎え、16日に送り火でお見送りします
※ 盆提灯・精霊棚・仏具は、お近くの仏具店や各種ECでご用意ください(お位牌Maker®では取り扱っておりません)。飾り方や品目は地域・宗派によって異なるため、菩提寺にも確認すると安心です。
初盆法要 当日の流れ
- 迎え火・お墓参り(13日)……霊をお迎えします
- 法要・読経……僧侶を招いて供養します(初盆の中心)
- 会食(お斎)……参列者・僧侶とともに故人を偲びます
- 送り火(16日)……霊をお見送りし、白提灯などを片づけます
マナーと費用の目安──お布施・服装・香典・お返し
お布施(喪主から僧侶へ)
初盆法要のお布施は一般的な目安として3〜5万円とされることが多いですが、地域・宗派・寺院・お付き合いによって異なります。別に御車代・御膳料(各5,000〜1万円程度)を用意します。迷うときは葬儀社や菩提寺に相談して構いません。
服装
喪主・遺族は略式喪服が基本。参列者は規模により平服でも可ですが、黒・濃紺・グレーの落ち着いた装いが無難です。
香典・お供え(参列者側)
四十九日を過ぎているため、表書きは「御仏前」「御供物料」を用います(「御霊前」は使いません)。金額は関係性により3,000円〜1万円程度が目安で、会食がある場合は上乗せします。お供え物は、後に残らない「消えもの」(菓子・果物・線香など)が一般的です。
お返し(喪主側の返礼品)
いただいたお供え・香典のおおむね3分の1〜半額を目安に、消えもの・タオル等を選びます。掛け紙の表書きは「志」「初盆志」などが一般的です。
宗派別の初盆──知っておきたい違い
浄土真宗──「歓喜会(かんぎえ)」と呼ぶ
浄土真宗では、亡くなった方はただちに浄土へ往生すると考えるため、故人の霊を迎え送るという考え方(追善供養)をとりません。お盆は「歓喜会(かんぎえ)」と呼ばれ、阿弥陀仏の救いに感謝する仏縁の場とされます。そのため精霊棚・迎え火・送り火・精霊馬を行わないのが一般的で、位牌ではなく法名軸・過去帳を用います(地域・寺院により異なる場合があります)。詳しくは「浄土真宗の位牌|法名軸・過去帳の使い方」をご覧ください。
神道・その他
神道ではお盆にあたる時期に「みたままつり」を行い、霊璽(れいじ)で先祖をおまつりします。真言宗・浄土宗・曹洞宗などは大筋で共通ですが、細部は宗派・地域・寺院で異なります。宗派ごとの位牌・梵字の書式は「宗派別・位牌の梵字と戒名書式」を参考にしてください。
よくある質問
Q. 四十九日がお盆の後になる場合、初盆はいつですか?
四十九日の忌明け前にお盆を迎えた場合、その年は初盆になりません。翌年のお盆が初盆となります。
Q. 初盆は家族だけで行ってもよいですか?
はい。小規模で行う場合も、事前に親族や菩提寺に伝えておくのがマナーです。
Q. 白提灯は必ず用意しなければなりませんか?
必須ではありませんが、初盆では白提灯(白紋天)を飾るのが一般的な慣習です。地域・宗派によって異なるため、菩提寺に確認すると安心です(お位牌Maker®では提灯類は扱っておりません)。
Q. 浄土真宗は初盆(新盆)を行いますか?
浄土真宗ではお盆を「歓喜会」と呼び、追善供養の意味では行いません。精霊棚や迎え火・送り火を行わないのが一般的です。ただしご住職や地域の慣習により異なるため、菩提寺にご確認ください。
Q. 白木位牌のまま初盆を迎えてしまいました。どうすればよいですか?
本位牌への切り替えは四十九日が基本ですが、間に合わなかった場合は初盆の法要前に菩提寺へ相談し、本位牌を用意するのが望ましいです。本位牌は戒名を彫る工程があるため早めの手配が安心で、お位牌Maker®は最短当日発送に対応しています。
お盆は「ご先祖様全体」をお迎えする行事です
四十九日でお作りするのは故人お一人の本位牌ですが、お盆は家のご先祖様全体をお迎えする行事です。「うちにはご先祖全体をおまつりする位牌がない」という場合は、個人名や戒名を入れず「〇〇家先祖代々之霊位」と記した位牌を、ご先祖全体の依り代として整えるのも一つの方法です。意味・文言・作るタイミング・費用は「先祖代々之霊位で始める先祖供養」で詳しく解説しています。
まとめ──初盆を整えた先へ
- 初盆は四十九日の忌明け後、初めて迎えるお盆。四十九日前にお盆が来た場合は翌年が初盆です。
- 準備は1〜2か月前の寺院連絡から。法要・盆飾り・返礼品が柱です。
- 表書きは「御仏前」「御供物料」。浄土真宗は「歓喜会」で作法が異なります。
四十九日からの流れは「四十九日法要 完全ガイド」、次の年忌は「一周忌とは」をご覧ください。白木位牌のままなら、初盆を機に本位牌のご用意を。
