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彼岸のお供え|金額・のし・おはぎとぼたもち・飾り方を解説

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お彼岸のお供えは、香・花・灯明・浄水・飲食(おんじき)の「五供(ごくう)」を基本に、春は「ぼたもち」・秋は「おはぎ」を供えるのが習わしです。ご親戚など他家へ贈るときの掛け紙はのし無し・表書きは「御供」、金額の目安は3,000〜5,000円が一般的です。

この記事では、お彼岸のお供えについて──定番の品と選び方、避けるもの、金額相場、のし(掛け紙)と水引、現金の包み方、郵送のマナー、仏壇への飾り方、浄土真宗の考え方まで、仏壇・仏具の修復を手がけてきた立場から具体的に解説します。お彼岸そのものの意味や2026年の日程は「お彼岸とは|2026年の日程・意味・やること」で詳しくまとめています。

【早見表】お彼岸のお供え|金額・表書き・水引の一覧

「誰に・いくら・どんな掛け紙で」がひと目でわかるよう、お供え先ごとに整理しました。

お供え先 金額の目安 掛け紙(のし)の表書き 水引
自宅の仏壇(我が家) 1,000〜3,000円程度の品 不要(普段のお供え)
実家・親戚の家へ 3,000〜5,000円 御供 黒白・双銀(関西は黄白)/結び切り
故人と縁が深い・特に親しい間柄 5,000〜10,000円 御供 または 御仏前 同上
お寺の彼岸会(お布施) 3,000〜1万円 御布施 白封筒/白黒

短くまとめると──のしは付けず(掛け紙のみ)、表書きは「御供」、水引は黒白か双銀の結び切り。四十九日の忌明け後であれば「御仏前」も使えます。以下で一つずつ見ていきます。

お彼岸のお供えの基本「五供(ごくう)」とは

仏壇へのお供えの土台は、毎日供える五供です。香・花・灯明・浄水・飲食の5つを指します。

  • 香(線香)……煙で場を清め、香りを手向けます
  • ……仏花を、お参りする人の側へ向けて飾ります
  • 灯明(ろうそく)……仏の智慧の光を表します
  • 浄水……清らかな水やお茶をお供えします
  • 飲食(おんじき)……炊きたてのご飯(仏飯)や季節の食べ物をお供えします

お彼岸には、この五供におはぎ・ぼたもち、果物、故人の好物などを加えます。日々のお供えと下げ方の基本は「仏壇のお供え」で詳しく解説しています。

いつ供えて、いつ下げる?

お彼岸は春分・秋分の日を中日とした前後3日ずつ・計7日間です(2026年の秋彼岸は9月20日〜26日、中日は秋分の日9月23日)。お供えは彼岸入りに供え、彼岸明けまでを目安にします。生ものや傷みやすいものは、その日のうち〜翌日には下げていただきます。

お彼岸とお盆、お供えはどう違う?

同じ先祖供養でも、お彼岸とお盆では考え方が異なります。お彼岸は「こちら(此岸)から先祖を偲んでお参りに行く」行事で、お墓参りとおはぎ・ぼたもちのお供えが中心です。いっぽうお盆は「先祖の霊を家に迎える」行事で、迎え火・送り火や精霊棚(盆棚)の飾りが加わり、なす・きゅうりの精霊馬やそうめんなど供えるものも増えます。そのためお彼岸のお供えは、お盆にくらべてシンプルに整えられるのが特徴です。お盆のお供えは「お盆とは」で解説しています。

おはぎとぼたもちの違い|春「牡丹」秋「萩」の呼び分け

おはぎとぼたもちは基本的に同じ食べ物で、供える季節で呼び名が変わります。

  • 春の彼岸=「ぼたもち(牡丹餅)」……春に咲く牡丹にちなみ、丸く大きめ
  • 秋の彼岸=「おはぎ(御萩)」……秋に咲く萩にちなみ、俵形

お彼岸におはぎ・ぼたもちを供えるのは、小豆の赤い色に魔除け・邪気払いの力があると考えられてきたことと、かつて貴重だった砂糖をたっぷり使うぜいたくな品でご先祖をもてなす、という意味からとされます。あんの違い(春はこしあん・秋はつぶあんが主流)は、小豆の収穫期によるという説が知られています。手作りでも市販品でもかまいません。供えたあとは、ご家族でお下がりとしていただきます。

お彼岸のお供え物の定番|日持ち・消えもので選ぶ

他家へ贈る場合も自宅用にも、日持ちする「消えもの」を選ぶのが基本です。定番は次のとおりです。

  1. おはぎ・ぼたもち、季節の和菓子
  2. 落雁(らくがん)・干菓子・個包装の焼き菓子……日持ちがよく、分けやすい
  3. 果物(りんご・ぶどう・メロンなど。かご盛りも)
  4. お線香・ろうそく……宗派を問わず使える「消えもの」の定番
  5. 季節の花(供花)
  6. 故人の好物(お酒・コーヒーなど。飾り方に配慮を)

「消えもの」がよいとされるのは、食べたり燃やしたりして後に残らず、いただいた側の負担にならないためです。贈る相手を思うなら、日持ちと個包装を優先すると喜ばれます。

お彼岸のお供えで避けるもの

  • 肉・魚など殺生を連想させるもの
  • においの強いもの(にんにくなど香りが強いもの)
  • 日持ちしない生菓子・傷みやすいもの(すぐ下げる前提なら供えても構いません)
  • とげ・毒のある花、香りの強すぎる花
  • 五辛(ごしん)……にんにく・にら・ねぎなど、においが強く修行の妨げとされる野菜を避ける考え方もあります
  • お祝いを連想させる品……紅白の品や慶事用ののし紙は用いません

いずれも厳格な禁止ではなく、仏前にふさわしいかという配慮からきています。地域やご家庭の習わしがあれば、そちらを優先してください。

お供えの金額相場|自宅・他家・現金の場合

お彼岸のお供えの金額は、相手との関係性で決まります。

  • 自宅の仏壇……1,000〜3,000円程度の品(日々のお供えの延長)
  • 実家・親戚の家へ……3,000〜5,000円
  • 故人と縁が深い・特に親しい間柄……5,000〜10,000円

高価すぎると、かえって相手に気を遣わせてしまいます。無理のない範囲で選ぶのが供養の心にかないます。品物ではなく現金でお供えする場合は、不祝儀袋に入れ、表書きは「御供物料」とします。四十九日の忌明け前は「御霊前」、忌明け後は「御仏前」または「御供物料」を使い分けます(浄土真宗では時期を問わず「御仏前」を用います)。

不祝儀袋の中袋には、表に金額(「金伍仟円」など旧字体が丁寧)、裏に住所と氏名を書きます。お札は、お祝いのように新札をきちんとそろえる必要はなく、地域によっては新札を避ける習わしもあります。

実家や親の家へお供えは必要?

同居のご家族や自宅の仏壇には、あらためて用意しなくても普段どおりのお参りで十分です。実家や親の家へ帰省してお参りする場合は、手みやげを兼ねてお供えを持参すると気持ちが伝わります。金額は3,000〜5,000円程度、日持ちする菓子折りやお線香が定番です。

のし(掛け紙)の表書きと水引

お彼岸のお供えに「のし」は付けません。「のし(熨斗)」はもともと慶事の飾りで、弔事・仏事には用いないのが正式です。正しくは「掛け紙」と呼び、水引だけが印刷された(のしの無い)ものを使います。

表書きと水引の使い分け

場面 表書き 水引
四十九日の忌明け前 御霊前 黒白・双銀/結び切り
忌明け後・お彼岸一般 御供/御仏前 黒白・双銀(関西は黄白)/結び切り
現金を包むとき 御供物料 同上
お寺へのお布施 御布施 白封筒(水引なし)または白黒

水引は黒白または双銀、関西以西では黄白を用いる地域もあります。結び方は「二度と繰り返さない」意味の結び切りです。掛け紙は品物に直接掛けてから包装する「内のし」が、お供え・弔事では控えめで一般的とされます。

お供えを郵送・宅配で送るときのマナー

遠方で伺えないときは、お供えを送っても差し支えありません。次の点に気を配ると丁寧です。

  • 掛け紙は内のしにして、配送中の傷みや水引のよれを防ぎます
  • 届く時期は彼岸入りの前日〜中日までを目安に、遅くとも彼岸明けまでに
  • 現金を送る場合は必ず現金書留で(普通郵便で現金を送ることはできません)
  • 挨拶状(添え状)を一筆添えると、気持ちが伝わります

【仏壇・仏具の修復現場から】お供えの飾り方と、仏壇を傷めないコツ

仏壇・仏具の修復を手がけていると、お供えが原因で漆や金箔を傷めてしまった仏壇に出会うことがあります。ほんの一手間で防げますので、お彼岸のお供えのときにも意識してみてください。

  • おはぎ・果物・お膳は、受け皿や高坏(たかつき)に半紙・懐紙を敷いて供えます……油染み・果汁・水滴が直接触れると、漆がふやけたり金箔がはがれる原因になります
  • 供物は彼岸明けまでに下げます……長く置くと傷み・カビ・虫の原因になり、汁物は倒れると被害が広がります
  • ろうそくの油煙・線香のすすは金箔をくすませます……炎を風で揺らさない置き方にし、こまめに換気を
  • 花立の水はこぼさない・ためすぎない……水はねやぬめりも痛みのもとになります

お供えの配置は、手前中央に香炉、その奥に灯明(ろうそく)、花は向かって左、浄水や飲食は左右のバランスを見て置くのが基本です。細かな並びは宗派や仏壇の形で変わるため、仏壇そのものの整え方は「仏壇の飾り方」もあわせてご覧ください。

下げたお供えは、「お下がり」としてご家族でいただくのが本来の形です。粗末にせず食べ切ることも、ご先祖への感謝のあらわれになります。

浄土真宗のお彼岸とお供え|「讃仏会」として

浄土真宗では、亡くなった方はただちに阿弥陀仏の浄土に往生するという教えから、追善供養や「霊が帰る」という考え方をとりません。お彼岸は、阿弥陀仏の救いに感謝し教えに出会う「讃仏会(さんぶつえ)」と受けとめられます。

もちろんお墓参り・仏壇参り・お供えは行います。おはぎや果物を供えてもかまいません。ご飯(仏飯)の盛り方に特徴があり、本願寺派(お西)は蓮のつぼみをかたどった円錐形、大谷派(お東)は円筒形に盛ります。お位牌ではなく過去帳・法名軸を用いる点も含め、詳しくは「浄土真宗の位牌|法名軸・過去帳の使い方」をご覧ください(作法は宗派・ご住職により異なる場合があります)。

お彼岸のお供えのお返しは必要?

お彼岸のお供えは供養の気持ちであり、基本的にお返しは不要とされます。ただし高額なお供えをいただいた場合や、彼岸会でお膳の接待を受けた場合などは、いただいた額の3分の1〜半分(半返し)を目安に、日持ちする菓子や消えものをお礼状を添えて返すと丁寧です。時期は彼岸明け後から1か月以内を目安にします。お返しの掛け紙の表書きは「粗供養(そくよう)」や「志」とし、水引は黒白や黄白の結び切りを用います。

初彼岸と本位牌の準備

初彼岸(はつひがん)は、四十九日の忌明けを迎えたあと、はじめて迎えるお彼岸のことです。忌明け前にお彼岸が来る場合は、その年は行わず、翌年を初彼岸とします。特別な作法は決まっていませんが、仏壇を整えてお参りする節目になります。

この時期に、白木のお位牌(仮位牌)のままになっていないかも見直しておきたいところです。本位牌への切り替えは四十九日が目安ですが、間に合わなければ菩提寺に相談のうえ用意します。本位牌の意味や選び方は「本位牌とは」で解説しています(浄土真宗では法名軸・過去帳を用いるのが一般的です)。四十九日そのものの流れは「四十九日法要」をご覧ください。

まとめ

  • お彼岸のお供えは五供を基本に、春はぼたもち・秋はおはぎ。日持ちする「消えもの」を選ぶと安心です
  • 他家へはのし無しの掛け紙・表書き「御供」・黒白/双銀の結び切り、金額は3,000〜5,000円が目安。現金は「御供物料」(忌明け前は「御霊前」)
  • おはぎ・果物は半紙や受け皿を敷き、彼岸明けまでに下げると仏壇を傷めません
  • 浄土真宗は追善供養ではなく讃仏会として、感謝の気持ちでお供えします

お彼岸の全体像は「お彼岸とは」、お墓参りの手順は「お墓参りのマナー」、法事・法要の全体像は「法事とは」、お盆や初盆との違いは「お盆とは」「初盆(新盆)とは」もあわせてご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q. お彼岸のお供えの金額はいくらが目安ですか?

自宅の仏壇なら1,000〜3,000円程度、実家や親戚の家へ贈るなら3,000〜5,000円、故人と特に縁が深い場合は5,000〜10,000円が一般的な目安です。高価すぎると相手に気を遣わせるため、無理のない範囲で選びます。現金でお供えする場合は不祝儀袋に入れ、表書きは「御供物料」とします。

Q. お彼岸のお供えに「のし」は付けますか?

いわゆる「のし(熨斗)」は慶事の飾りのため、仏事のお供えには付けません。水引だけが印刷された「掛け紙」を使い、表書きは「御供」、水引は黒白または双銀(関西では黄白)の結び切りとします。四十九日の忌明け後であれば「御仏前」も使えます。

Q. 春の「ぼたもち」と秋の「おはぎ」はどう違いますか?

中身は基本的に同じで、供える季節で呼び名が変わります。春は牡丹にちなみ「ぼたもち」、秋は萩にちなみ「おはぎ」と呼びます。小豆の赤い色の魔除けの意味と、かつて貴重だった砂糖でご先祖をもてなす意味から、お彼岸に供える習わしになったとされます。

Q. お彼岸のお供えは、いつからいつまで供えますか?

彼岸入りに供え、彼岸明けまでを目安にします。おはぎや果物など傷みやすいものは、その日のうち〜翌日には下げ、ご家族でお下がりとしていただきます。長く置くと傷みやカビ・虫の原因になり、汁や果汁が仏壇の漆や金箔を傷めることにもつながります。

Q. お彼岸のお供えを郵送してもよいですか?届ける時期は?

遠方で伺えないときは郵送でも差し支えありません。掛け紙は配送中に傷まない「内のし」にし、彼岸入りの前日〜中日までに届くよう手配します。現金を送る場合は必ず現金書留を使い、挨拶状(添え状)を一筆添えると丁寧です。

Q. 浄土真宗ではお彼岸にお供えをしますか?

します。浄土真宗は追善供養ではなく、阿弥陀仏の救いに感謝する「讃仏会」としてお彼岸を営みますが、お墓参り・仏壇参り・お供えは行います。ご飯(仏飯)は本願寺派が蓮のつぼみをかたどった円錐形、大谷派が円筒形に盛るなどの特徴があります。

この記事の執筆・監修者

奥本 一輝(お位牌Maker® 編集責任者)

全国の坐禅会を紹介する「坐禅会マップ」を運営。麗光堂による数多くの仏壇・仏具修復の現場経験をもとに、位牌・戒名・仏事の情報を編集・監修しています。

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